青春18きっぷの旅Part3~紀勢編(6日目) [旅行]
6日目、いよいよ最終日。
和歌山城に行って和歌山電鉄に乗り名物駅長(猫)を見て、その後は寄り道もありますが在来線で大阪・京都を経由して名古屋まで辿り着き、最後は新幹線で戻るという行程です。
まずは宿泊先のホテルから、徒歩で和歌山城へ。
和歌山城は天守閣と本丸御殿の中心部は高台で、その周りの二の丸・西の丸などは平地となっています。
(天守閣は再建されましたが本丸・二の丸・西の丸は跡地のみ)
まずは天守閣の周辺をぐるっと回ってみます。
城の正門に当たる大手門と、門の前にかかる一の橋(城の北東に位置)。
大手門は1982年、一の橋は1983年に再建。
大手門を進んだ先にある「伏虎像(ふっこぞう)」。
城の南(南東)に位置する岡口門。
築城時はこちらが大手門でしたが、途中から裏門に変わったという経緯があります。
城の建造物では唯一旧藩時代のまま現存しています。
大手門・岡口門の他に現存する門が西に位置する「追廻門(おいまわしもん)」。
古めかしい感じもしますが残念ながら旧藩時代の遺構ではない模様。
和歌山城の門は他に不明門(南)・吹上門(北西)などがありますが、いずれも跡地のみで門は復元されていません。
坂(階段)を昇り、いよいよ天守閣へ。
和歌山城天守閣は国宝に指定されるも大戦末期の空襲で消失してしまい、戦後鉄筋コンクリート造にて復元されたものです。
(名古屋城とほぼ経緯が似ています)
天守閣については別途有料(410円)。
内部(城の二層・三層と廊下など)は展示スペースとなっており、武具・鎧や書物などが展示されています。
天守閣入り口の庭園。
周囲は回廊となっており、奥の櫓も含めて内部は通行できるようになっています。
(この部分も展示スペースになっている)
最上階は展望台も兼ねていて、和歌山市の周囲が見渡せます。
こちらは西側、和歌山港方面。
こちらは東側、和歌山駅方面。
天守閣を降りた後は城の南側、南の丸跡にある動物園へ。
(動物園は無料で見学できます)
ツキノワグマがいましたがお昼寝中。
ラッコもお昼寝。
当日は確かに暑かったですが、それにしても無防備な格好…。
奈良公園ではおなじみのシカさんもいらっしゃいました。
2頭のヤギ、表情が面白いです。
頭の飾りが立派な鳥(名前は忘れた…)。
動物園を一通り回り、最後は西の丸の一角にある西の丸庭園を見てみました。
(庭園内の茶室は有料ですが、庭園は無料で見学できます)
西の丸庭園は別名を紅葉渓(もみじだに)と言いますが、名前の通りモミジの木が多くあるので紅葉時は綺麗そうです。
といっても夏の風景も悪くないですが…。
平成18年に再建された御橋廊下。
二の丸と西の丸を行き来するために、徳川期にかけられた橋を復元したもの。
中が見えないように壁と屋根をつけた廊下橋ですが、斜めにかかる廊下橋は全国的にも珍しいそうです。
御橋廊下の内部。
土足厳禁ですが通行は可能です。
但し床が滑りやすいので通行には注意が必要です。
(自分も下り坂で足が滑った)
そういえば今回の旅行で唯一の庭園見学だったと思うので、その意味でも良かったと思います。
この後は和歌山市駅に戻り、乗り鉄を再開。
(といっても観光の要素を多分に含んだ乗り鉄なのですが…)
和歌山市駅からはJR線に乗るわけですが、ご覧の通り実質は南海線のターミナルです。
(あくまでJR線に乗車するため、ここで18きっぷの5回目を行使)
和歌山市駅の場合、JRのきっぷでも南海線のホームに下りることは可能です。
停車していたのは特急「サザン」。
和歌山と大阪(なんば)を結ぶ、南海本線系統の特急列車です。
こちらは南海線の普通列車。
ちなみに自分がこれから乗るのは奥の青色の電車。
JR線のホームは端にあり、南海線のホームに間借りしている感じです。
ホームの屋根から延びているアーチが懐かしい感じ。
懐かしいといえばこちらも。
今時の電車では見かけない扇風機。
昭和時代の匂いを感じさせるというか、いい感じです。
この電車は和歌山駅まで乗車(紀勢本線の支線でたった2駅だけですが…)。
和歌山からは全国的に有名となった「たま駅長」でおなじみの路線に乗車します。
和歌山と貴志を結ぶ「和歌山電鉄」。
廃止寸前の南海貴志川線を引き継ぎ、奇跡の回復を遂げたローカル線。
貴志行きで乗車した車両は水戸岡鋭治氏デザインによる3種の電車のうちの「おもちゃ電車」。
実は水戸岡デザインの車両に乗るのはこれが始めてだったりします。
(今まで縁がなかったもので…)
※参考:和歌山電鐵ホームページ
和歌山電鉄の鉄は正しくは「鐵」という漢字ですが、難しい漢字のため当ページでは「鉄」で表記します。
内部は木目調で、子供部屋を意識したカラフルな色調です。
夏休み期間で新たに貴志駅の駅長に就任した「ニタマ駅長」を見に行こうという乗客で、車内は混雑していました。
おもちゃ電車という名前の通り車内にはフィギュア・鉄道模型などのホビー関連グッズが展示されている棚があり、更にはガチャガチャ(ガシャポンともいう)もあったりしました。
猫フィギュア関連のガチャガチャが多かったのは気のせいか…。
和歌山から30分程度で終点の貴志駅に到着。
ホームの脇には「いちご」「たま」「おもちゃ」という名前の小さな神社が3つ並んでいました。
これらの神社は貴志川線を走っている3種のデザイン電車の名前が由来となっています。
真ん中の「たま神社」のみ社殿の屋根が新しくなっており、「たま大明神」ののぼりも立っていました。
ニュース等でご存知かと思いますが、初代たま駅長は今年の6月22日にお亡くなりになりました。
享年16歳(人間の年齢で80歳程度)。
初代たま駅長は名誉永久駅長に昇任し、駅のブースには生前を偲ぶぬいぐるみと遺影が展示されていました。
こちらが最近(ここに訪れた日の3日前)2代目のたま駅長(たまⅡ世)になったニタマ氏。
以前は途中駅の伊太祈曽駅の駅長でたま駅長公休日には代理で貴志駅長を勤めていましたが、今回正式に貴志駅長に就任した次第です。
勿論公休日はあるので常時駐在しているわけではありませんが。
というか当日駅周辺は凄い人出で、ニタマ氏は写真撮られまくりでした…。
(途中でお昼寝に入ったこともあり、後ろ姿しか撮影できなかった)
貴志駅の駅舎も「たま」をイメージした和風な造りの新しいものになっていました。
電車以外でも車やバイク・自転車で来る方もいらっしゃったので、駅の外も混雑していました。
駅舎にはミュージアムショップも併設しており、みやげ物や各種グッズも販売されていました。
鉄道模型(鉄道コレクションやBトレインなど)も販売されていましたが、すでにかばんが満杯で持ち帰り困難だったため、小物のイヤホンジャックアクセサリーを購入しました。
軽食ができるレストランもありましたが、こちらも混雑していたので止めにしました。
そうこうしているうちに折り返しの「たま電車」が到着。
頭上のネコ耳がかわいいです。
一番前の冷房装置が制帽に見立てたデザインになっていたり、よく見るとひげも描かれていたりと車両全体がたま駅長をイメージした外観になっています。
側面の絵も面白いです。
たま電車は貴志から途中の伊太祈曽(いだきそ)駅まで乗車しました。
伊太祈曽駅は貴志川線のちょうど中間にある駅で車庫(車両基地)もあり、日中は運用が無い控えの車両が止まっていました。
いずれも水戸岡デザインでない一般車ということですが、手前の車両は譲渡元の南海色のままですね。
(貴志川線の車両は全て元南海線のものです)
駅を降りて、歩いて数分の場所にある「伊太祈曽神社」。
神社の拝殿。何となく貴志駅のデザインに似ている…?
境内には古木を利用した「木俣くぐり」なるものもありました。
(那智大社の胎内くぐりと同じく、くぐるとご利益がある系)
神社を一通り見た後、再び伊太祈曽駅に戻ってきました。
ちなみに伊太祈曽駅には和歌山電鉄の本社もあります。
後は和歌山駅に戻るのみですが、到着したのはデザイン電車の3つ目「いちご電車」。
車内もいちご一色でした(笑)。
終点和歌山に戻ってきました。
これで和歌山電鉄の旅は終わりですが、伊太祈曽で途中下車したおかげて水戸岡デザインの車両3タイプ全てに乗車できたので良かったと思います。
後はJR線に戻り、帰路につくのみ。
といってもまずは大阪を目指すわけですが…。
ということで大阪に直通する「紀州路快速」に乗車。
和歌山~大阪(天王寺)間は阪和線。
本線を名乗っていませんが、全線複線で列車の本数も多く本線と言ってもよい規模の路線です。
和歌山を出発して程なく紀ノ川を渡ります。
河口に近いものの、川の広さはさすが「紀の国の大河」といったところか。
このまま大阪に向かっても良いのですが、時間に余裕があるので途中の日根野で関西空港方面に乗り換えます。
和歌山から来た紀州路快速は日根野にて関西空港方面から来た「関空快速」と連結を行い大阪方面へと向かいますので、写真のような連結シーンも見られました。
逆方向ではこの駅で関空方面と和歌山方面とに分割され、進行方向前寄りの編成が関空行きになります。
関空につながる橋を走行中。
この区間はJRと南海とで線路を共有しています。
海の上を走りますが、高速下の高架橋なので眺望は良いとは言えませんが…。
関西空港(関空)に到着。
一応関空に来てみたということで、改札は出ずに…
(関空も多分18きっぷ適用区間かと思いますが、そうでない可能性も無くも無いので面倒なことにならないように)
そのまま折り返しの電車で戻ります。
といっても橋を渡った先にある「りんくうタウン駅」でまた下車するのですが。
りんくうタウン駅は南海線とホームを共有している関係で、要はこの車両を見たかっただけです。
関空と大阪なんばを結ぶ南海の特急「ラピート」。
電車でDでも登場したアレで、実車を見た感想はやはり鉄人28号以外の何物でもない、といったところでしょうか?
電車でDでは咬ませ犬同然の扱いでしたが、実車のインパクトというか存在感は十分ですね。
ラピートはそのまま大阪方面へと発車。
後姿もやはり鉄人(以下略)。
こちらはJRの特急はるか。
ラピートはりんくうタウン駅停車ですが、JRのはるかは通過です。
(ラピートについても停車するのは「β」のみで速達形の「α」は通過かもしれませんが)
りんくうタウン~日根野間で見られる、南海線の分岐点。
奥が大阪方面で、左が関空、右が和歌山方面の本線。
ちなみに電車でDでは誤って和歌山方面へ向かうと即ゲームオーバー…。
日根野の先、今度は鳳(おおとり)でまたも別の支線に乗り換えます。
鳳と東羽衣の1駅間を往復する阪和線の支線、通称「羽衣線」に乗車。
車両はもはや首都圏では見られなくなった103系の3両編成。
以前はクモハ123形が単行で走っていた時期もありましたが…。
鳳を出て数分もしないうちに、終点の東羽衣に到着。
寄り道はこれまでにして、改札は出ずにすぐさま折り返しの電車で戻るとします。
再び阪和線に戻りますが、何やら北の方の雲行きが怪しいです。
天王寺から大阪までは大阪環状線に乗りますが、無意味に車両を乗り換えたりしました。
関西線・大阪環状線とも201系というこれも首都圏から姿を消した車両ですが、関西線のウグイス色は首都圏では見られなかった関西オリジナルの色だったりします。
車体が大幅にリニューアルされているのも関西独自の仕様ですね。
途中大阪(京セラ)ドーム前を通過。
間近に見るのは恐らく初めてです。
大阪環状線では写真のような非常にカラフルなラッピング電車も走っていました。
(首都圏ではさすがにここまで凝ったラッピング電車は見られない…)
大阪から(新大阪経由で)新幹線に乗っても良いのですが、18きっぷを極力有効に使うため、この後は新快速などを利用してぎりぎりまで在来線を乗り継ぎます。
※日没のためこの後の車窓の撮影は不可
当初は京都もしくは米原から新幹線に乗る計画でしたが、車内で時刻表を吟味したところ名古屋まで辿り着けそうなことが分かったので、名古屋までの在来線乗車を敢行しました。
途中米原と大垣で乗り換え。
例によって米原~大垣間の列車は(自分も含めてですが)18きっぷ利用者などで混雑していて立ち乗りでした。
(昨年もそうでしたが、この区間は本数が少ないため18きっぷシーズン中は混雑することで有名)
名古屋に到着したのは21時過ぎ。
さすがに名古屋から先は新幹線乗り換えが困難なため、18きっぷの利用はここまでです。
ということで最後は新幹線を利用(名古屋~新横浜)。
在来線では数時間かかる区間も、新幹線では1時間半ほどで着いてしまいます。
(ちなみに「ひかり」に乗車、途中停車駅は静岡のみ)
さすがに新幹線は早いなと、改めて思った次第です。
新横浜に着いたのは23時ちょっと前。帰宅したのは23時半頃でした。
最終日は時間いっぱいのスケジュールでしたが、何とか無事に家に戻れたので良かったです。
※6日目まとめ
和歌山城と和歌山電鉄の「観光」が思ったより時間がかかりましたが、それも想定内。
阪和線支線の寄り道は関空線か羽衣線のどちらかいければ良いと考えていましたが、結果両方回れたので良かったです。
ラストの新幹線への乗り換えはぎりぎり名古屋まで粘れたので、前日の特急利用分の費用を取り戻せたかなと思います。
(その分疲れたのは言うまでも無いですが…)
※総まとめ
昨年(北陸編)より1日多い、5泊6日の行程。
今回は神社巡りがメインで昨年より観光の要素が高かったですが、その分費用がかさみました。
(18きっぷを利用したとはいえ、計算したら全部で10万近くかかった…)
目的地までバスの利用が多いなど18きっぷ旅行に向いていないエリアだったのかもしれませんが、三重県や和歌山県は今まで一度も行ったことが無かったのでそれはそれで良かったかと。
スケジュール的にも相変わらずぎりぎりでしたが、次回はもう少し余裕を持てたらなと思うものの多分(18きっぷを使う限りは)どうしてもぎりぎりになるのかなあと実感した次第です。
果たしていつまで続けられることやら…
~終わり~
和歌山城に行って和歌山電鉄に乗り名物駅長(猫)を見て、その後は寄り道もありますが在来線で大阪・京都を経由して名古屋まで辿り着き、最後は新幹線で戻るという行程です。
まずは宿泊先のホテルから、徒歩で和歌山城へ。
和歌山城は天守閣と本丸御殿の中心部は高台で、その周りの二の丸・西の丸などは平地となっています。
(天守閣は再建されましたが本丸・二の丸・西の丸は跡地のみ)
まずは天守閣の周辺をぐるっと回ってみます。
城の正門に当たる大手門と、門の前にかかる一の橋(城の北東に位置)。
大手門は1982年、一の橋は1983年に再建。
大手門を進んだ先にある「伏虎像(ふっこぞう)」。
城の南(南東)に位置する岡口門。
築城時はこちらが大手門でしたが、途中から裏門に変わったという経緯があります。
城の建造物では唯一旧藩時代のまま現存しています。
大手門・岡口門の他に現存する門が西に位置する「追廻門(おいまわしもん)」。
古めかしい感じもしますが残念ながら旧藩時代の遺構ではない模様。
和歌山城の門は他に不明門(南)・吹上門(北西)などがありますが、いずれも跡地のみで門は復元されていません。
坂(階段)を昇り、いよいよ天守閣へ。
和歌山城天守閣は国宝に指定されるも大戦末期の空襲で消失してしまい、戦後鉄筋コンクリート造にて復元されたものです。
(名古屋城とほぼ経緯が似ています)
天守閣については別途有料(410円)。
内部(城の二層・三層と廊下など)は展示スペースとなっており、武具・鎧や書物などが展示されています。
天守閣入り口の庭園。
周囲は回廊となっており、奥の櫓も含めて内部は通行できるようになっています。
(この部分も展示スペースになっている)
最上階は展望台も兼ねていて、和歌山市の周囲が見渡せます。
こちらは西側、和歌山港方面。
こちらは東側、和歌山駅方面。
天守閣を降りた後は城の南側、南の丸跡にある動物園へ。
(動物園は無料で見学できます)
ツキノワグマがいましたがお昼寝中。
ラッコもお昼寝。
当日は確かに暑かったですが、それにしても無防備な格好…。
奈良公園ではおなじみのシカさんもいらっしゃいました。
2頭のヤギ、表情が面白いです。
頭の飾りが立派な鳥(名前は忘れた…)。
動物園を一通り回り、最後は西の丸の一角にある西の丸庭園を見てみました。
(庭園内の茶室は有料ですが、庭園は無料で見学できます)
西の丸庭園は別名を紅葉渓(もみじだに)と言いますが、名前の通りモミジの木が多くあるので紅葉時は綺麗そうです。
といっても夏の風景も悪くないですが…。
平成18年に再建された御橋廊下。
二の丸と西の丸を行き来するために、徳川期にかけられた橋を復元したもの。
中が見えないように壁と屋根をつけた廊下橋ですが、斜めにかかる廊下橋は全国的にも珍しいそうです。
御橋廊下の内部。
土足厳禁ですが通行は可能です。
但し床が滑りやすいので通行には注意が必要です。
(自分も下り坂で足が滑った)
そういえば今回の旅行で唯一の庭園見学だったと思うので、その意味でも良かったと思います。
この後は和歌山市駅に戻り、乗り鉄を再開。
(といっても観光の要素を多分に含んだ乗り鉄なのですが…)
和歌山市駅からはJR線に乗るわけですが、ご覧の通り実質は南海線のターミナルです。
(あくまでJR線に乗車するため、ここで18きっぷの5回目を行使)
和歌山市駅の場合、JRのきっぷでも南海線のホームに下りることは可能です。
停車していたのは特急「サザン」。
和歌山と大阪(なんば)を結ぶ、南海本線系統の特急列車です。
こちらは南海線の普通列車。
ちなみに自分がこれから乗るのは奥の青色の電車。
JR線のホームは端にあり、南海線のホームに間借りしている感じです。
ホームの屋根から延びているアーチが懐かしい感じ。
懐かしいといえばこちらも。
今時の電車では見かけない扇風機。
昭和時代の匂いを感じさせるというか、いい感じです。
この電車は和歌山駅まで乗車(紀勢本線の支線でたった2駅だけですが…)。
和歌山からは全国的に有名となった「たま駅長」でおなじみの路線に乗車します。
和歌山と貴志を結ぶ「和歌山電鉄」。
廃止寸前の南海貴志川線を引き継ぎ、奇跡の回復を遂げたローカル線。
貴志行きで乗車した車両は水戸岡鋭治氏デザインによる3種の電車のうちの「おもちゃ電車」。
実は水戸岡デザインの車両に乗るのはこれが始めてだったりします。
(今まで縁がなかったもので…)
※参考:和歌山電鐵ホームページ
和歌山電鉄の鉄は正しくは「鐵」という漢字ですが、難しい漢字のため当ページでは「鉄」で表記します。
内部は木目調で、子供部屋を意識したカラフルな色調です。
夏休み期間で新たに貴志駅の駅長に就任した「ニタマ駅長」を見に行こうという乗客で、車内は混雑していました。
おもちゃ電車という名前の通り車内にはフィギュア・鉄道模型などのホビー関連グッズが展示されている棚があり、更にはガチャガチャ(ガシャポンともいう)もあったりしました。
猫フィギュア関連のガチャガチャが多かったのは気のせいか…。
和歌山から30分程度で終点の貴志駅に到着。
ホームの脇には「いちご」「たま」「おもちゃ」という名前の小さな神社が3つ並んでいました。
これらの神社は貴志川線を走っている3種のデザイン電車の名前が由来となっています。
真ん中の「たま神社」のみ社殿の屋根が新しくなっており、「たま大明神」ののぼりも立っていました。
ニュース等でご存知かと思いますが、初代たま駅長は今年の6月22日にお亡くなりになりました。
享年16歳(人間の年齢で80歳程度)。
初代たま駅長は名誉永久駅長に昇任し、駅のブースには生前を偲ぶぬいぐるみと遺影が展示されていました。
こちらが最近(ここに訪れた日の3日前)2代目のたま駅長(たまⅡ世)になったニタマ氏。
以前は途中駅の伊太祈曽駅の駅長でたま駅長公休日には代理で貴志駅長を勤めていましたが、今回正式に貴志駅長に就任した次第です。
勿論公休日はあるので常時駐在しているわけではありませんが。
というか当日駅周辺は凄い人出で、ニタマ氏は写真撮られまくりでした…。
(途中でお昼寝に入ったこともあり、後ろ姿しか撮影できなかった)
貴志駅の駅舎も「たま」をイメージした和風な造りの新しいものになっていました。
電車以外でも車やバイク・自転車で来る方もいらっしゃったので、駅の外も混雑していました。
駅舎にはミュージアムショップも併設しており、みやげ物や各種グッズも販売されていました。
鉄道模型(鉄道コレクションやBトレインなど)も販売されていましたが、すでにかばんが満杯で持ち帰り困難だったため、小物のイヤホンジャックアクセサリーを購入しました。
軽食ができるレストランもありましたが、こちらも混雑していたので止めにしました。
そうこうしているうちに折り返しの「たま電車」が到着。
頭上のネコ耳がかわいいです。
一番前の冷房装置が制帽に見立てたデザインになっていたり、よく見るとひげも描かれていたりと車両全体がたま駅長をイメージした外観になっています。
側面の絵も面白いです。
たま電車は貴志から途中の伊太祈曽(いだきそ)駅まで乗車しました。
伊太祈曽駅は貴志川線のちょうど中間にある駅で車庫(車両基地)もあり、日中は運用が無い控えの車両が止まっていました。
いずれも水戸岡デザインでない一般車ということですが、手前の車両は譲渡元の南海色のままですね。
(貴志川線の車両は全て元南海線のものです)
駅を降りて、歩いて数分の場所にある「伊太祈曽神社」。
神社の拝殿。何となく貴志駅のデザインに似ている…?
境内には古木を利用した「木俣くぐり」なるものもありました。
(那智大社の胎内くぐりと同じく、くぐるとご利益がある系)
神社を一通り見た後、再び伊太祈曽駅に戻ってきました。
ちなみに伊太祈曽駅には和歌山電鉄の本社もあります。
後は和歌山駅に戻るのみですが、到着したのはデザイン電車の3つ目「いちご電車」。
車内もいちご一色でした(笑)。
終点和歌山に戻ってきました。
これで和歌山電鉄の旅は終わりですが、伊太祈曽で途中下車したおかげて水戸岡デザインの車両3タイプ全てに乗車できたので良かったと思います。
後はJR線に戻り、帰路につくのみ。
といってもまずは大阪を目指すわけですが…。
ということで大阪に直通する「紀州路快速」に乗車。
和歌山~大阪(天王寺)間は阪和線。
本線を名乗っていませんが、全線複線で列車の本数も多く本線と言ってもよい規模の路線です。
和歌山を出発して程なく紀ノ川を渡ります。
河口に近いものの、川の広さはさすが「紀の国の大河」といったところか。
このまま大阪に向かっても良いのですが、時間に余裕があるので途中の日根野で関西空港方面に乗り換えます。
和歌山から来た紀州路快速は日根野にて関西空港方面から来た「関空快速」と連結を行い大阪方面へと向かいますので、写真のような連結シーンも見られました。
逆方向ではこの駅で関空方面と和歌山方面とに分割され、進行方向前寄りの編成が関空行きになります。
関空につながる橋を走行中。
この区間はJRと南海とで線路を共有しています。
海の上を走りますが、高速下の高架橋なので眺望は良いとは言えませんが…。
関西空港(関空)に到着。
一応関空に来てみたということで、改札は出ずに…
(関空も多分18きっぷ適用区間かと思いますが、そうでない可能性も無くも無いので面倒なことにならないように)
そのまま折り返しの電車で戻ります。
といっても橋を渡った先にある「りんくうタウン駅」でまた下車するのですが。
りんくうタウン駅は南海線とホームを共有している関係で、要はこの車両を見たかっただけです。
関空と大阪なんばを結ぶ南海の特急「ラピート」。
電車でDでも登場したアレで、実車を見た感想はやはり鉄人28号以外の何物でもない、といったところでしょうか?
電車でDでは咬ませ犬同然の扱いでしたが、実車のインパクトというか存在感は十分ですね。
ラピートはそのまま大阪方面へと発車。
後姿もやはり鉄人(以下略)。
こちらはJRの特急はるか。
ラピートはりんくうタウン駅停車ですが、JRのはるかは通過です。
(ラピートについても停車するのは「β」のみで速達形の「α」は通過かもしれませんが)
りんくうタウン~日根野間で見られる、南海線の分岐点。
奥が大阪方面で、左が関空、右が和歌山方面の本線。
ちなみに電車でDでは誤って和歌山方面へ向かうと即ゲームオーバー…。
日根野の先、今度は鳳(おおとり)でまたも別の支線に乗り換えます。
鳳と東羽衣の1駅間を往復する阪和線の支線、通称「羽衣線」に乗車。
車両はもはや首都圏では見られなくなった103系の3両編成。
以前はクモハ123形が単行で走っていた時期もありましたが…。
鳳を出て数分もしないうちに、終点の東羽衣に到着。
寄り道はこれまでにして、改札は出ずにすぐさま折り返しの電車で戻るとします。
再び阪和線に戻りますが、何やら北の方の雲行きが怪しいです。
天王寺から大阪までは大阪環状線に乗りますが、無意味に車両を乗り換えたりしました。
関西線・大阪環状線とも201系というこれも首都圏から姿を消した車両ですが、関西線のウグイス色は首都圏では見られなかった関西オリジナルの色だったりします。
車体が大幅にリニューアルされているのも関西独自の仕様ですね。
途中大阪(京セラ)ドーム前を通過。
間近に見るのは恐らく初めてです。
大阪環状線では写真のような非常にカラフルなラッピング電車も走っていました。
(首都圏ではさすがにここまで凝ったラッピング電車は見られない…)
大阪から(新大阪経由で)新幹線に乗っても良いのですが、18きっぷを極力有効に使うため、この後は新快速などを利用してぎりぎりまで在来線を乗り継ぎます。
※日没のためこの後の車窓の撮影は不可
当初は京都もしくは米原から新幹線に乗る計画でしたが、車内で時刻表を吟味したところ名古屋まで辿り着けそうなことが分かったので、名古屋までの在来線乗車を敢行しました。
途中米原と大垣で乗り換え。
例によって米原~大垣間の列車は(自分も含めてですが)18きっぷ利用者などで混雑していて立ち乗りでした。
(昨年もそうでしたが、この区間は本数が少ないため18きっぷシーズン中は混雑することで有名)
名古屋に到着したのは21時過ぎ。
さすがに名古屋から先は新幹線乗り換えが困難なため、18きっぷの利用はここまでです。
ということで最後は新幹線を利用(名古屋~新横浜)。
在来線では数時間かかる区間も、新幹線では1時間半ほどで着いてしまいます。
(ちなみに「ひかり」に乗車、途中停車駅は静岡のみ)
さすがに新幹線は早いなと、改めて思った次第です。
新横浜に着いたのは23時ちょっと前。帰宅したのは23時半頃でした。
最終日は時間いっぱいのスケジュールでしたが、何とか無事に家に戻れたので良かったです。
※6日目まとめ
和歌山城と和歌山電鉄の「観光」が思ったより時間がかかりましたが、それも想定内。
阪和線支線の寄り道は関空線か羽衣線のどちらかいければ良いと考えていましたが、結果両方回れたので良かったです。
ラストの新幹線への乗り換えはぎりぎり名古屋まで粘れたので、前日の特急利用分の費用を取り戻せたかなと思います。
(その分疲れたのは言うまでも無いですが…)
※総まとめ
昨年(北陸編)より1日多い、5泊6日の行程。
今回は神社巡りがメインで昨年より観光の要素が高かったですが、その分費用がかさみました。
(18きっぷを利用したとはいえ、計算したら全部で10万近くかかった…)
目的地までバスの利用が多いなど18きっぷ旅行に向いていないエリアだったのかもしれませんが、三重県や和歌山県は今まで一度も行ったことが無かったのでそれはそれで良かったかと。
スケジュール的にも相変わらずぎりぎりでしたが、次回はもう少し余裕を持てたらなと思うものの多分(18きっぷを使う限りは)どうしてもぎりぎりになるのかなあと実感した次第です。
果たしていつまで続けられることやら…
~終わり~
2015-09-02 11:33
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