年初めの乗り鉄2018~中国地方のローカル線巡り(3日目) [鉄道・鉄道旅行]
3日目は浜田から出雲市まで行き、出雲大社と周辺の観光、出雲市から再び鉄道で遠路岡山まで移動という行程。
遠路と書きましたが、途中特急列車に乗車して時短を図っているので感覚的にはそれほど長くは感じませんでしたが…。
ということで当日は浜田駅からスタート。
特急停車駅といえども地方都市の駅ということもあり、人影はまばらでした。
昨夜駅に着いた時点では江津駅と同様駅の窓口は閉まっていましたが、今朝は営業していたので普通に18きっぷにはんこを押してもらえました。
駅の時刻表。
山陰「本」線ということもあり、それなりに列車本数はあるようです。
しかしよく見ると約半数の列車が特急・快速の速達列車なので、この区間もなかなかの「特急街道」ということになりますね。
ただ18きっぷでも乗車可能な快速「アクアライナー」があることが有難いです。
反対側のホームにはちょうど「特急スーパーおき」が停車中。
鳥取方面から出雲市・益田を経て新山口へと向かう列車です。
まずは8:00発の普通列車江津行きに乗車。
実はこの後来る8:28発の快速アクアライナー(米子行き)に乗れば一気に出雲市に行けるのですが、江津駅に立ち寄りたいので1本前の列車に乗ることとします。
車両は前日三江線でも乗車したキハ120型。
カラーリングも同じで行先も江津行きなので、三江線の列車と見間違います。
さすがに本線ということもあり、スピードはかなり出ています。
三江線では超スローライフな速度でしたが、同じ車両でも頑張ればスピードは出せるということですね。
※出雲市までは逆かぶりつきにて撮影
山あいのローカル線の駅ですが、長めのホームなどさすが本線の風格があります。
下府(しもこう)駅にて。
次の久代(くしろ)駅は単線の小ぢんまりとした駅。
くしろというと北海道の釧路が有名(漢字変換でも最初に出る)ですが、ここは島根県。
次の波子(はし)駅も味わい深い。
この駅も列車行き違い設備がありますが、走行中の線路は直線に近いのでこちらが特急・快速通過用ということになると思います。
車窓から日本海が見えてきました。
海の色がきれい。
江津の1つ手前の都野津(つのづ)駅にて対向列車と行き違い。
本線特有の広い駅構内ですが、かつては右側の草むらの箇所にも線路があったと見受けられます。
(貨物列車の取り扱いがあった頃の名残かと)
乗車中列車の終点となる江津駅に到着(というか戻ってきた)。
到着したのは三江線用の3番ホーム。
ということは乗車した列車はそのまま三江線の列車になるようです。
江津駅構内。
特急停車駅ということもあり、比較的広いです。
奥が浜田・益田方面。
駅ホームから出雲市方面を見る。
左奥が山陰線の江の川の鉄橋、その右側が三江線の線路です。
(踏切が見えている箇所)
2番線には前日乗車したキハ47型も停車していました。
江津駅の駅舎。
前日も含め何度か見ているのですが全て夜間(もしくは夜明け前)だったので、日中にお目にかかれるのは初めてだったりします。
江津駅からは次に来る快速アクアライナー(8:49発)に乗車。
ちなみに次の三江線は12:34浜原行きとあるので、やはり浜田から乗ってきた列車が浜原行きになるようです。
ということで、これで三江線ともお別れ。
アクアライナーが到着、この列車で出雲市まで。
車両は新鋭のキハ126型。
車内が結構グレード高いですが、残念ながら車内は満席に近かったので止む無く立ち乗りでした。
発車して間もなく江の川を渡ります。
奥が山方面で、三江線は向かって右側の土手に沿って線路が続きます。
こちらは江の川の河口側。
工場の煙突も見えますが、山側と比べるとちょっと殺風景。
車窓からは日本海に面する荒々しい岸壁が見えます。
風力発電の設備も。
前日もそうでしたが、沿線で風力発電の他に太陽光発電のソーラーパネルも見ましたので、自然エネルギーを活用している様子が多く見受けられました。
(ソーラーパネルは田畑の用地転向という意味合いがあるかもしれませんが)
住宅街からかすかに見える日本海、というのも味わい深い光景。
典型的な山間部の途中駅といった感じ(黒松駅)。
途中で雨が降ってきました。
温泉津と書いて「ゆのつ」と読みます。
仁万=にま、これも珍しい駅名。
ちなみに前駅の「まじ」は馬路と書きます。
天気が回復してきた模様。
途中の大田市駅で少々停車。
石見銀山の最寄り駅で、特急も停車する主要駅。
ホーム反対側には出雲市行きの普通列車も停車中。
これに乗り換える手もありましたが、できるだけ早く出雲市に着きたいので引き続き快速に乗車します。
この後も天候は不安定気味。
高台の駅を通過。
よく見るとかなりの急勾配。
進行方向逆(逆かぶりつき)で撮影しているので、坂を下っている形なのですが。
この後は平野部に。
西出雲駅手前の車両基地。
特急やくも号などの車両基地でもあるので、車両基地内は電化されています。
対して現在走行中の本線はここまで非電化なので、向かって奥側は架線が無いことが確認できます。
※写真の手前が西出雲・出雲市駅側
出雲市の手前で川を渡り…(神戸川と言うらしい)。
出雲市駅に到着。
乗車した列車は米子行きですが、ここで下車します。
反対側のホームに、ちょうどサンライズ出雲が到着しました。
東京と出雲市を結ぶ、現在唯一の定期運行されている寝台特急列車です。
(東京~岡山間はサンライズ瀬戸と併結)
車両の台車部分をアップで撮影。
「サロハネ」と記載がありますが、中間付随車(サ)でA寝台・B寝台の合造車(ロハネ)という意味。
珍しい形式なので撮ってみました。
(そういえば以前もオロハネとかあったか…)
JR出雲市駅の全景。
奥には黄色のスーパーホテルの看板が。
スーパーホテルは割とよく利用していますが、今回の旅では利用なしでした。
(本当は江津のスーパーホテルに宿泊したかったのですが、生憎満室だった模様…)
この後は出雲大社に向かうため、一畑電車に乗車します。
JR出雲市駅の下を沿って歩いた先にある、一畑電車の電鉄出雲市駅。
1階改札口の上が駅ホーム。
出雲大社前行きの特急列車もありましたが、先に発車する隣の普通列車に乗車します。
オレンジに白帯という派手な色合いですが、実は元東急の車両(1000系電車)です。
1000系電車は上田電鉄や伊賀鉄道などでも導入されており、地方私鉄線で人気の高い車両です。
(18m車という1周り小さいサイズであることが地方私鉄線で向いているらしい)
なので自分も以前地元の東急線で乗車したことがある車両かもしれません。
ちなみに一畑電車の愛称は「ばたでん」。
出雲市駅を出て少しの間山陰線と並行。
一見すると複線に見えますが、左側が一畑電車、右側が山陰線の線路です。
奥に見える踏切の先で、山陰線の線路と分かれます。
出雲市駅から4駅先の川跡(かわと)駅に到着。
川跡駅は出雲大社前へと向かう大社線との分岐駅。
一畑口・松江しんじ湖温泉方面に向かう場合はこのまま乗車しますが、出雲大社に向かうのでここで乗り換えます。
こちらは元京王線の車両(旧5000系?)。
2つドアなので、主に特急列車用でしょうか?
出雲大社前行きの列車が到着。
車両は出雲市から乗車したのと同じタイプ(元東急1000系)。
奥に出雲ドームが見えますが、ちょうど日差しを受けて神々しい雰囲気です。
運河のような川を渡り…。
出雲大社前駅に到着。
出雲大社前の駅舎はレトロな西洋風。
西洋風のデザインとしたのは国鉄(JR)の大社駅の和風デザインに対抗したため、だそう。
JR大社線は現在廃止されていますが、旧大社駅の駅舎は保存されています。
(出雲大社の後に行くことになります)
出雲大社前駅から出雲大社の入口までは徒歩3分程度。
さすが「前」だけあって近いです。
当日の参拝客はそれなりに多かったですが、お参りに行列ができるほどではなかったです。
入口の鳥居をくぐってから先、まずは下り坂。
坂の後は平坦な参道になりますが、松並木の間、中央の道は樹木保護のため通行はできず両脇が現在の参道になっています。
境内に着いたのでさっそくお参り。
巨大なしめ縄が見事です。
先ほどの写真は拝殿で、こちらが御本殿。
(正確には正面のお参りしている建物の奥が御本殿です)
お参りを済ませた後、御本殿をぐるっと回る形で裏手に来ました。
周辺には御本殿を囲む形でいくつかの摂社・末社が点在しています。
背後から見た御本殿。
御本殿境内の外にある、名主社の奥にある滝。
一通りお参りを済ませて宝物殿を見学した後は駅方面に戻り、昼食と土産品の購入を済ませました。
出雲大社前駅を通り過ぎ、今度は出雲大社とは反対方向に進み旧JR大社駅へ。
出雲大社前駅から徒歩10分程度で旧JR大社駅に到着。
国の重要文化財で、和風の立派な造り。
建物内には当時と同じ状態で改札・切符売り場などが残っています。
こちらの改札は廃止直前まで使われていたと思われます。
こちらは初期の切符売り場。
廃止前は観光案内所として使われていた模様。
恐らく廃止直前の時刻表と思われますが、列車本数は毎時1本ペースだった模様。
全て出雲市行きで、出雲市から先の直通列車は無いようです。
ちなみに大社線の廃止は平成2年(1990年)なので、JRになって少しの間は存続していたことになります。
駅舎の(正面から向かって)右手にある改札口。
ゲートが8つほどあるので、地方路線としてはかなり大規模。
年末年始の参拝客を考慮してと思われますが…。
駅構内のホーム・線路等の施設もそのまま保存されています。
写真の奥が出雲大社方面。
同じく駅構内、奥が出雲市駅方面。
現在はホームの先で線路が途切れています。
大社線は終点の出雲市・大社駅の他に途中2駅ありますが、途中2駅のホームもそのまま残っているようです。
大社駅の駅標。
国鉄時代のものがそのまま残っています。
ホーム脇には蒸気機関車D51型(デゴイチ)が保存。
野ざらしのためか、保存状態はあまりよくありませんでした。
大社駅を一通り見学した後、再び出雲大社前駅に戻ります。
運河の先に見えるのが一畑電車線の鉄橋。
で、戻ってきました。
一畑電車の出雲大社前駅と大社駅は徒歩10分くらい離れていますが、やはりこの距離差は大きいので大社線の廃線は致し方ないかも…と思った次第です。
尤も廃線となった最大の理由は出雲大社の参拝客がマイカー・バスに流れたことによるものなのですが。
駅ホームの横にはデハニ50形という日本最古級の電車が保存されていました。
映画「RAILWAYS」にも出てきた車両なので、ご存じの方も多いかもしれませんね。
ホームの横といっても駅改札の外に展示されているので、駅前参道側からも自由に見学できます。
車内も見学可能。
床も板張りで、実にレトロな雰囲気です。
運転台も使い込まれている感たっぷり。
運転席越しに見ると線路はつながっており、架線も引かれているので車両の走行は可能なのかもしれません。
車両を見学した後は帰りの電車で再び出雲市へ。
電鉄出雲市直通の特急列車に乗車。
隣にはこれまた派手なラッピング車が停車していました。
途中省略、再びJR出雲市駅に戻ってきました。
こちらは午前中来た時とは反対側(山側)の入り口。
ここから遠路岡山を目指すのですが、手元の時刻表をチェックすると普通列車のみだと大幅に到着が遅くなるため、ここは時短のためあえて特急列車に乗車します。
乗車するのはこの特急やくも号。
車両は381系という国内初の振り子式車両で、現在ではこのやくも号のみで運用されています。
この381系ですが、以前は紀勢本線を走る特急くろしおでも運用されていて、自分も短区間ではありますが一度乗車したことがあります。
※現在381系はくろしおから運用離脱しています。
振り子車特有の、いかにも低重心を図った構造の台車。
ちなみに乗車するのはこちらの車両(形式は同じ)ですが、何故かヘッドマーク部分が白紙という…。
座席は普通車でも"ゴージャス。
「ゆったり やくも」の愛称通り、従来車よりシートピッチも多少広めです。
シートピッチ変更により窓の位置が一致しない座席が出てしまうのはご愛敬。
車内の天井も低めで、(振り子車特有の)低重心な車体構造であることが伺えます。
そんな感じで出雲市駅を出発。
特急は途中の新見まで乗車します。
発車早々に川を渡ります。
斐伊川という宍道湖に注ぐ川らしいです。
山側の景色も良いです。
宍道(しんじ)駅に到着。
ホームに停車しているのは木次線の気動車。
木次線も以前乗車したことがあります。
眼前に宍道湖が広がります。
国内で7番目に大きい湖ということで、さすがに大きい。
松江の手前、玉造温泉駅に到着。
意味深な中島が見えますが、このあたりは宍道湖と中海の境目でしょうか?
揖屋=いや、という駅に停車。
尤も特急の停車駅ではなく、列車行き違い待ちで途中停車した模様。
奥に見えるのは中海(のはず)。
米子駅に到着。
ここから鳥取県。
実は鳥取県に到達したのは初めてだったりします。
(車内なので地面には降り立っていませんが)
米子の先、伯耆大山にて山陰本線と分かれて伯備線へ。
進行方向の右側で鳥取の名山である大山(だいせん)が見えるはずですが、当日は残念ながら大山は雲隠れ…。
この先は山あい区間になり勾配とカーブが連続しますが、ここから振り子電車の本領発揮。
カーブでも速度を落とさずにかなりの高速で走行します。
カーブにさしかかると進入と少し遅れて車体がカーブする方向に傾き、直線に戻ると少し遅れて傾きが戻るという、振り子車特有の挙動をまざまざと体感できました。
この挙動を「揺り遅れ現象」というそうですが、なるほどと感心しているうちに…
酔ってきた。
この車両、上記の揺り遅れ現象により乗り物酔いを起こす客が続出することで有名(悪名高い)であることは知っていましたが、それを身をもって体感することになるとは。
幸い吐くまでは至りませんでしたが、やはり噂は本当だったということか。
ちなみに以前「くろしお」でも同じ車両に乗車したのですが、その時は気持ち悪くなることはなかったです。
(多分乗車区間が短かったことと、カーブで速度を出さなかった区間だったことが要因なのかも)
山中にある根雨(ねう)という駅に到着。
沿線の主要駅というよりは、対向列車待ち合わせ目的の停車という意味合いが強いかも。
ちなみに向かいに止まっている普通列車でも岡山に行けますが、到着時刻が遅くなってしまうため次の新見まで頑張ります(耐えます)。
引き続き(高速で)川沿いを走行。
日本海に注ぐ日野川という川らしい。
日も暮れ始めたので、車窓の撮影もこの辺りが限界か。
余談ですが、そういえば車内で寝に入っている乗客を多く見かけましたが、その方はやくもの常連さんかもしれませんね。
というのも寝ることは乗り物酔い対策の有効手段らしいので…。
ということでようやく新見に到着。
やくもの乗車はここまでで、岡山までは再び普通列車に乗車します。
さすがに終点の岡山まで乗車してしまうと電車賃的にも割高になってしまうので(勿論特急列車は18きっぷは利用できないので完全自腹)新見までの乗車という策をとったのですが、乗り物酔いという店でも新見までで良かったです。
ネット上で口さがない人はゆったりやくもにかけて「ぐったりやくも」と揶揄していましたが、妙に納得してしまった…。
次の普通列車の発車まで少し時間が空くので、駅構内を散策。
改札口手前のホームに停車中の姫新線(もしくは芸備線)の気動車。
形式は三江線と同様のキハ120型。
こちらも以前乗車したことがあります。
(姫新線については別の区間ですが翌日乗車します)
新見発の芸備線(備後落合方面)の時刻表。
三江線ほどではないのですが1日6本なので少ない…。
これも以前乗車したんだなあ…。
(初めて見た時、思わず笑ってしまった)
新見駅の駅標。
左側にぬのはら(布原)という駅名がありますが、実はこの駅は伯備線内にある駅にも関わらず伯備線の全列車(普通も含めて)が停車せず、芸備線の列車のみが停車する駅ということで知られています。
芸備線は前述の通り本数が少ないので、この駅に停車する列車も僅かということですね。
ということでこの普通列車で岡山まで。
もちろん振り子式ではないので、程なく酔いは治まりました。
座席はリクライニングではないですが転換クロスシートなので、長距離でも割と快適です。
窓からのすきま風が寒かったのが唯一の難点でしたが、それにしても特急より普通列車の方が乗り心地が良いというのはいかがなものなのか?と思った次第でした。
(まあこの辺は個人差があるので何とも言えませんが…)
夜間のため車窓の撮影は不可能ですが、一枚だけ。
日羽=ひわ、という駅。
以前同じ場所で撮った写真を発見しました。
日没前で、車窓はこんな感じ。
まだ山の中ですね。
ようやく当日の宿泊地である岡山駅に到着。
(ちなみにこの車両は乗車したのとは別のもの)
この時点で19:30過ぎでしたが、普通列車のみだとゆうに2時間以上の差がつくので、やはり特急列車による時短効果は大きかったです。
振り子車の乗り心地も体感できた(身をもって知った)ので、得たものも多かったかと。
というか、今回の旅は苦行的な意味合いが大きい気がする…。
そんな感じで3日目の行程終了です。
~4日目に続く~
遠路と書きましたが、途中特急列車に乗車して時短を図っているので感覚的にはそれほど長くは感じませんでしたが…。
ということで当日は浜田駅からスタート。
特急停車駅といえども地方都市の駅ということもあり、人影はまばらでした。
昨夜駅に着いた時点では江津駅と同様駅の窓口は閉まっていましたが、今朝は営業していたので普通に18きっぷにはんこを押してもらえました。
駅の時刻表。
山陰「本」線ということもあり、それなりに列車本数はあるようです。
しかしよく見ると約半数の列車が特急・快速の速達列車なので、この区間もなかなかの「特急街道」ということになりますね。
ただ18きっぷでも乗車可能な快速「アクアライナー」があることが有難いです。
反対側のホームにはちょうど「特急スーパーおき」が停車中。
鳥取方面から出雲市・益田を経て新山口へと向かう列車です。
まずは8:00発の普通列車江津行きに乗車。
実はこの後来る8:28発の快速アクアライナー(米子行き)に乗れば一気に出雲市に行けるのですが、江津駅に立ち寄りたいので1本前の列車に乗ることとします。
車両は前日三江線でも乗車したキハ120型。
カラーリングも同じで行先も江津行きなので、三江線の列車と見間違います。
さすがに本線ということもあり、スピードはかなり出ています。
三江線では超スローライフな速度でしたが、同じ車両でも頑張ればスピードは出せるということですね。
※出雲市までは逆かぶりつきにて撮影
山あいのローカル線の駅ですが、長めのホームなどさすが本線の風格があります。
下府(しもこう)駅にて。
次の久代(くしろ)駅は単線の小ぢんまりとした駅。
くしろというと北海道の釧路が有名(漢字変換でも最初に出る)ですが、ここは島根県。
次の波子(はし)駅も味わい深い。
この駅も列車行き違い設備がありますが、走行中の線路は直線に近いのでこちらが特急・快速通過用ということになると思います。
車窓から日本海が見えてきました。
海の色がきれい。
江津の1つ手前の都野津(つのづ)駅にて対向列車と行き違い。
本線特有の広い駅構内ですが、かつては右側の草むらの箇所にも線路があったと見受けられます。
(貨物列車の取り扱いがあった頃の名残かと)
乗車中列車の終点となる江津駅に到着(というか戻ってきた)。
到着したのは三江線用の3番ホーム。
ということは乗車した列車はそのまま三江線の列車になるようです。
江津駅構内。
特急停車駅ということもあり、比較的広いです。
奥が浜田・益田方面。
駅ホームから出雲市方面を見る。
左奥が山陰線の江の川の鉄橋、その右側が三江線の線路です。
(踏切が見えている箇所)
2番線には前日乗車したキハ47型も停車していました。
江津駅の駅舎。
前日も含め何度か見ているのですが全て夜間(もしくは夜明け前)だったので、日中にお目にかかれるのは初めてだったりします。
江津駅からは次に来る快速アクアライナー(8:49発)に乗車。
ちなみに次の三江線は12:34浜原行きとあるので、やはり浜田から乗ってきた列車が浜原行きになるようです。
ということで、これで三江線ともお別れ。
アクアライナーが到着、この列車で出雲市まで。
車両は新鋭のキハ126型。
車内が結構グレード高いですが、残念ながら車内は満席に近かったので止む無く立ち乗りでした。
発車して間もなく江の川を渡ります。
奥が山方面で、三江線は向かって右側の土手に沿って線路が続きます。
こちらは江の川の河口側。
工場の煙突も見えますが、山側と比べるとちょっと殺風景。
車窓からは日本海に面する荒々しい岸壁が見えます。
風力発電の設備も。
前日もそうでしたが、沿線で風力発電の他に太陽光発電のソーラーパネルも見ましたので、自然エネルギーを活用している様子が多く見受けられました。
(ソーラーパネルは田畑の用地転向という意味合いがあるかもしれませんが)
住宅街からかすかに見える日本海、というのも味わい深い光景。
典型的な山間部の途中駅といった感じ(黒松駅)。
途中で雨が降ってきました。
温泉津と書いて「ゆのつ」と読みます。
仁万=にま、これも珍しい駅名。
ちなみに前駅の「まじ」は馬路と書きます。
天気が回復してきた模様。
途中の大田市駅で少々停車。
石見銀山の最寄り駅で、特急も停車する主要駅。
ホーム反対側には出雲市行きの普通列車も停車中。
これに乗り換える手もありましたが、できるだけ早く出雲市に着きたいので引き続き快速に乗車します。
この後も天候は不安定気味。
高台の駅を通過。
よく見るとかなりの急勾配。
進行方向逆(逆かぶりつき)で撮影しているので、坂を下っている形なのですが。
この後は平野部に。
西出雲駅手前の車両基地。
特急やくも号などの車両基地でもあるので、車両基地内は電化されています。
対して現在走行中の本線はここまで非電化なので、向かって奥側は架線が無いことが確認できます。
※写真の手前が西出雲・出雲市駅側
出雲市の手前で川を渡り…(神戸川と言うらしい)。
出雲市駅に到着。
乗車した列車は米子行きですが、ここで下車します。
反対側のホームに、ちょうどサンライズ出雲が到着しました。
東京と出雲市を結ぶ、現在唯一の定期運行されている寝台特急列車です。
(東京~岡山間はサンライズ瀬戸と併結)
車両の台車部分をアップで撮影。
「サロハネ」と記載がありますが、中間付随車(サ)でA寝台・B寝台の合造車(ロハネ)という意味。
珍しい形式なので撮ってみました。
(そういえば以前もオロハネとかあったか…)
JR出雲市駅の全景。
奥には黄色のスーパーホテルの看板が。
スーパーホテルは割とよく利用していますが、今回の旅では利用なしでした。
(本当は江津のスーパーホテルに宿泊したかったのですが、生憎満室だった模様…)
この後は出雲大社に向かうため、一畑電車に乗車します。
JR出雲市駅の下を沿って歩いた先にある、一畑電車の電鉄出雲市駅。
1階改札口の上が駅ホーム。
出雲大社前行きの特急列車もありましたが、先に発車する隣の普通列車に乗車します。
オレンジに白帯という派手な色合いですが、実は元東急の車両(1000系電車)です。
1000系電車は上田電鉄や伊賀鉄道などでも導入されており、地方私鉄線で人気の高い車両です。
(18m車という1周り小さいサイズであることが地方私鉄線で向いているらしい)
なので自分も以前地元の東急線で乗車したことがある車両かもしれません。
ちなみに一畑電車の愛称は「ばたでん」。
出雲市駅を出て少しの間山陰線と並行。
一見すると複線に見えますが、左側が一畑電車、右側が山陰線の線路です。
奥に見える踏切の先で、山陰線の線路と分かれます。
出雲市駅から4駅先の川跡(かわと)駅に到着。
川跡駅は出雲大社前へと向かう大社線との分岐駅。
一畑口・松江しんじ湖温泉方面に向かう場合はこのまま乗車しますが、出雲大社に向かうのでここで乗り換えます。
こちらは元京王線の車両(旧5000系?)。
2つドアなので、主に特急列車用でしょうか?
出雲大社前行きの列車が到着。
車両は出雲市から乗車したのと同じタイプ(元東急1000系)。
奥に出雲ドームが見えますが、ちょうど日差しを受けて神々しい雰囲気です。
運河のような川を渡り…。
出雲大社前駅に到着。
出雲大社前の駅舎はレトロな西洋風。
西洋風のデザインとしたのは国鉄(JR)の大社駅の和風デザインに対抗したため、だそう。
JR大社線は現在廃止されていますが、旧大社駅の駅舎は保存されています。
(出雲大社の後に行くことになります)
出雲大社前駅から出雲大社の入口までは徒歩3分程度。
さすが「前」だけあって近いです。
当日の参拝客はそれなりに多かったですが、お参りに行列ができるほどではなかったです。
入口の鳥居をくぐってから先、まずは下り坂。
坂の後は平坦な参道になりますが、松並木の間、中央の道は樹木保護のため通行はできず両脇が現在の参道になっています。
境内に着いたのでさっそくお参り。
巨大なしめ縄が見事です。
先ほどの写真は拝殿で、こちらが御本殿。
(正確には正面のお参りしている建物の奥が御本殿です)
お参りを済ませた後、御本殿をぐるっと回る形で裏手に来ました。
周辺には御本殿を囲む形でいくつかの摂社・末社が点在しています。
背後から見た御本殿。
御本殿境内の外にある、名主社の奥にある滝。
一通りお参りを済ませて宝物殿を見学した後は駅方面に戻り、昼食と土産品の購入を済ませました。
出雲大社前駅を通り過ぎ、今度は出雲大社とは反対方向に進み旧JR大社駅へ。
出雲大社前駅から徒歩10分程度で旧JR大社駅に到着。
国の重要文化財で、和風の立派な造り。
建物内には当時と同じ状態で改札・切符売り場などが残っています。
こちらの改札は廃止直前まで使われていたと思われます。
こちらは初期の切符売り場。
廃止前は観光案内所として使われていた模様。
恐らく廃止直前の時刻表と思われますが、列車本数は毎時1本ペースだった模様。
全て出雲市行きで、出雲市から先の直通列車は無いようです。
ちなみに大社線の廃止は平成2年(1990年)なので、JRになって少しの間は存続していたことになります。
駅舎の(正面から向かって)右手にある改札口。
ゲートが8つほどあるので、地方路線としてはかなり大規模。
年末年始の参拝客を考慮してと思われますが…。
駅構内のホーム・線路等の施設もそのまま保存されています。
写真の奥が出雲大社方面。
同じく駅構内、奥が出雲市駅方面。
現在はホームの先で線路が途切れています。
大社線は終点の出雲市・大社駅の他に途中2駅ありますが、途中2駅のホームもそのまま残っているようです。
大社駅の駅標。
国鉄時代のものがそのまま残っています。
ホーム脇には蒸気機関車D51型(デゴイチ)が保存。
野ざらしのためか、保存状態はあまりよくありませんでした。
大社駅を一通り見学した後、再び出雲大社前駅に戻ります。
運河の先に見えるのが一畑電車線の鉄橋。
で、戻ってきました。
一畑電車の出雲大社前駅と大社駅は徒歩10分くらい離れていますが、やはりこの距離差は大きいので大社線の廃線は致し方ないかも…と思った次第です。
尤も廃線となった最大の理由は出雲大社の参拝客がマイカー・バスに流れたことによるものなのですが。
駅ホームの横にはデハニ50形という日本最古級の電車が保存されていました。
映画「RAILWAYS」にも出てきた車両なので、ご存じの方も多いかもしれませんね。
ホームの横といっても駅改札の外に展示されているので、駅前参道側からも自由に見学できます。
車内も見学可能。
床も板張りで、実にレトロな雰囲気です。
運転台も使い込まれている感たっぷり。
運転席越しに見ると線路はつながっており、架線も引かれているので車両の走行は可能なのかもしれません。
車両を見学した後は帰りの電車で再び出雲市へ。
電鉄出雲市直通の特急列車に乗車。
隣にはこれまた派手なラッピング車が停車していました。
途中省略、再びJR出雲市駅に戻ってきました。
こちらは午前中来た時とは反対側(山側)の入り口。
ここから遠路岡山を目指すのですが、手元の時刻表をチェックすると普通列車のみだと大幅に到着が遅くなるため、ここは時短のためあえて特急列車に乗車します。
乗車するのはこの特急やくも号。
車両は381系という国内初の振り子式車両で、現在ではこのやくも号のみで運用されています。
この381系ですが、以前は紀勢本線を走る特急くろしおでも運用されていて、自分も短区間ではありますが一度乗車したことがあります。
※現在381系はくろしおから運用離脱しています。
振り子車特有の、いかにも低重心を図った構造の台車。
ちなみに乗車するのはこちらの車両(形式は同じ)ですが、何故かヘッドマーク部分が白紙という…。
座席は普通車でも"ゴージャス。
「ゆったり やくも」の愛称通り、従来車よりシートピッチも多少広めです。
シートピッチ変更により窓の位置が一致しない座席が出てしまうのはご愛敬。
車内の天井も低めで、(振り子車特有の)低重心な車体構造であることが伺えます。
そんな感じで出雲市駅を出発。
特急は途中の新見まで乗車します。
発車早々に川を渡ります。
斐伊川という宍道湖に注ぐ川らしいです。
山側の景色も良いです。
宍道(しんじ)駅に到着。
ホームに停車しているのは木次線の気動車。
木次線も以前乗車したことがあります。
眼前に宍道湖が広がります。
国内で7番目に大きい湖ということで、さすがに大きい。
松江の手前、玉造温泉駅に到着。
意味深な中島が見えますが、このあたりは宍道湖と中海の境目でしょうか?
揖屋=いや、という駅に停車。
尤も特急の停車駅ではなく、列車行き違い待ちで途中停車した模様。
奥に見えるのは中海(のはず)。
米子駅に到着。
ここから鳥取県。
実は鳥取県に到達したのは初めてだったりします。
(車内なので地面には降り立っていませんが)
米子の先、伯耆大山にて山陰本線と分かれて伯備線へ。
進行方向の右側で鳥取の名山である大山(だいせん)が見えるはずですが、当日は残念ながら大山は雲隠れ…。
この先は山あい区間になり勾配とカーブが連続しますが、ここから振り子電車の本領発揮。
カーブでも速度を落とさずにかなりの高速で走行します。
カーブにさしかかると進入と少し遅れて車体がカーブする方向に傾き、直線に戻ると少し遅れて傾きが戻るという、振り子車特有の挙動をまざまざと体感できました。
この挙動を「揺り遅れ現象」というそうですが、なるほどと感心しているうちに…
酔ってきた。
この車両、上記の揺り遅れ現象により乗り物酔いを起こす客が続出することで有名(悪名高い)であることは知っていましたが、それを身をもって体感することになるとは。
幸い吐くまでは至りませんでしたが、やはり噂は本当だったということか。
ちなみに以前「くろしお」でも同じ車両に乗車したのですが、その時は気持ち悪くなることはなかったです。
(多分乗車区間が短かったことと、カーブで速度を出さなかった区間だったことが要因なのかも)
山中にある根雨(ねう)という駅に到着。
沿線の主要駅というよりは、対向列車待ち合わせ目的の停車という意味合いが強いかも。
ちなみに向かいに止まっている普通列車でも岡山に行けますが、到着時刻が遅くなってしまうため次の新見まで頑張ります(耐えます)。
引き続き(高速で)川沿いを走行。
日本海に注ぐ日野川という川らしい。
日も暮れ始めたので、車窓の撮影もこの辺りが限界か。
余談ですが、そういえば車内で寝に入っている乗客を多く見かけましたが、その方はやくもの常連さんかもしれませんね。
というのも寝ることは乗り物酔い対策の有効手段らしいので…。
ということでようやく新見に到着。
やくもの乗車はここまでで、岡山までは再び普通列車に乗車します。
さすがに終点の岡山まで乗車してしまうと電車賃的にも割高になってしまうので(勿論特急列車は18きっぷは利用できないので完全自腹)新見までの乗車という策をとったのですが、乗り物酔いという店でも新見までで良かったです。
ネット上で口さがない人はゆったりやくもにかけて「ぐったりやくも」と揶揄していましたが、妙に納得してしまった…。
次の普通列車の発車まで少し時間が空くので、駅構内を散策。
改札口手前のホームに停車中の姫新線(もしくは芸備線)の気動車。
形式は三江線と同様のキハ120型。
こちらも以前乗車したことがあります。
(姫新線については別の区間ですが翌日乗車します)
新見発の芸備線(備後落合方面)の時刻表。
三江線ほどではないのですが1日6本なので少ない…。
これも以前乗車したんだなあ…。
(初めて見た時、思わず笑ってしまった)
新見駅の駅標。
左側にぬのはら(布原)という駅名がありますが、実はこの駅は伯備線内にある駅にも関わらず伯備線の全列車(普通も含めて)が停車せず、芸備線の列車のみが停車する駅ということで知られています。
芸備線は前述の通り本数が少ないので、この駅に停車する列車も僅かということですね。
ということでこの普通列車で岡山まで。
もちろん振り子式ではないので、程なく酔いは治まりました。
座席はリクライニングではないですが転換クロスシートなので、長距離でも割と快適です。
窓からのすきま風が寒かったのが唯一の難点でしたが、それにしても特急より普通列車の方が乗り心地が良いというのはいかがなものなのか?と思った次第でした。
(まあこの辺は個人差があるので何とも言えませんが…)
夜間のため車窓の撮影は不可能ですが、一枚だけ。
日羽=ひわ、という駅。
以前同じ場所で撮った写真を発見しました。
日没前で、車窓はこんな感じ。
まだ山の中ですね。
ようやく当日の宿泊地である岡山駅に到着。
(ちなみにこの車両は乗車したのとは別のもの)
この時点で19:30過ぎでしたが、普通列車のみだとゆうに2時間以上の差がつくので、やはり特急列車による時短効果は大きかったです。
振り子車の乗り心地も体感できた(身をもって知った)ので、得たものも多かったかと。
というか、今回の旅は苦行的な意味合いが大きい気がする…。
そんな感じで3日目の行程終了です。
~4日目に続く~
2018-01-23 10:18
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