春休みの乗り鉄旅行2021~上信州巡り(2回目) [鉄道・鉄道旅行]
2日目(2回目)は1日目の一週間後に。
長野県の南部、JR小海線の沿線を中心に回ります。
今回は鉄道乗車(乗り鉄)がメインですが、JR鉄道最高地点など観光要素もほどほどにあります。
まずは東京駅からですが、最初は新幹線で軽井沢まで。
新幹線で長野方面に行ったことはないので、今回北陸新幹線に初めて乗車します。
軽井沢は長野の手前なので、長野止まりの「あさま」でOK。
12両中8両が自由席という自由席主体の列車なので、こちらも自由席特急券でOKでした。
(スムーズに乗車するために乗車券は前日に購入)
普通車ですが(東海道新幹線と比較して)上品な色合いの座席。
北陸新幹線用の車両は現在E7系の1車種に統一されています。
(JR西日本所属のW7系もありますが、E7系と同一仕様らしい)
程なく出発し、東京~埼玉の県境となる荒川を渡るところ。
空気が澄んでいれば遠くに富士山が見えますが、当日は見えず。
熊谷に到着する手前ですが、ここでかすかに富士山が見えた気が。
ただ上の写真では分かりませんでした。
熊谷と高崎の間にある本庄早稲田駅。
上越新幹線開通後に新たにできた新幹線単独の駅ですが、ここで通勤・通学の乗客がかなり降りていきました。
特に大宮からここまで車内の乗車率が高く、通勤・通学用途で新幹線を利用している方も一定数いるようでした。
奥に関越道が見えますが、この先で関越道と交差。
ちょうど関越道の上里SAがあるあたりだと思います。
こちらは上信越道の藤岡IC。
新幹線だとあっという間に通り過ぎていきますが…。
烏川もしくは鏑川を渡るところ。
地図で確認した限りでは鏑川っぽい。
今回は新幹線越しから上信線の鉄橋(烏川の鉄橋)を捉えました。
高崎駅に到着する手前ですが、車庫に停車中の上信線の車両も撮影。
ラッピング車ばかりなので、こうしてみると結構賑やか。
高崎を発車して程なく上越新幹線と分岐。
ここから先は山の中に入っていき、長いトンネルが連続します。
北陸新幹線の最初の駅となる安中榛名駅。
新幹線単独の駅で周囲にリゾート施設しかないためか、全国の新幹線駅中最も利用客の少ない駅であるとかないとか。
安中榛名から軽井沢の間は碓氷峠を北に迂回するような線形を取りますが、新幹線だとほどなく軽井沢へ。
といっても新幹線としてはかなり急こう配な区間ということもあり、この区間の最高速度は時速100キロ台にとどまります。
ちなみにこの区間はほとんどトンネルなので車窓は撮影できず。
軽井沢に到着する直前でトンネルを出ますが、奥に見えるスキー場を辛うじて捉える程度でした。
ということで軽井沢に到着。
軽井沢駅の新幹線ホームは2面4線ですが、地上ホームであることが大きな特徴。
ホームの端から新幹線の線路(奥が東京方面)。
新幹線でこのアングルから捉えられることはなかなかない気がします。
軽井沢駅の北口。
新幹線駅としては比較的コンパクトな駅舎。
駅北口の様子。
駅前ロータリーの周りに店が数軒ある程度で、新幹線駅とは思えないほど閑散としています。
尤も町の中心部は駅から離れた北側にあるので、駅舎が新しくなったものの駅前は在来線時代と変化はないようです。
駅南口もコンパクト。
在来線を引き継いだしなの鉄道の始発駅でもあるので、JRの他にしなの鉄道のロゴも入っています。
南口の周囲にはスキー場やゴルフ場などリゾート施設しかないためか、店舗すらありません…。
駅構内には在来線時代のホームがそのまま残っています。
奥が東京方面で、左側の在来線はホームの先で線路が途切れています。
反対側(上田・長野方面)の駅構内。
しなの鉄道の電車が停車中で、保存展示されている機関車の姿も見えます。
(これについては後程触れます)
こうしてみると軽井沢駅は新幹線が停車する駅としては極めてコンパクトな造りであることが改めて分かります。
他の新幹線駅が殆ど高架駅で自ずと駅舎も大規模になりがち(例を挙げると前回の記事で紹介した高崎駅)なので、地上ホームにできた(もしくは地上ホームとして作る敷地が確保できた)のが最大の理由かもしれません。
しなの鉄道の改札はJR改札の横の少し奥まったところに。
通路の横に「峠の釜めし」のおぎのやの店がありましたがまだ開店前でした…。
電車に乗る前に奥の展示機関車を見学。
駅構内で展示されている機関車は2台で、こちらがEF63型機関車。
EF63型機関車は碓氷峠の補機専用に作られた電機機関車で、昭和30年代に従来のアプト式から粘着式に変更されてから平成9年に北陸新幹線(当時は長野新幹線)の長野開業まで活躍しました。
電磁吸着ブレーキなどいくつもの安全対策を取られたことや、電車との協調運転(機関車からの制御によりけん引する電車のモーターも動力として利用できる)により他の幹線列車と同一の輸送力を発揮できた功績があったという説明文もあります。
もう1両がアプト式時代の電機機関車である10000型(EC40型)。
10000型(EC40型)は碓氷峠用の補機として最初に使用されたアプト式の電機機関車で、明治44年にドイツで製造された国内初の電機機関車でもあります。
この車両は横川にある「碓氷峠鉄道文化むら」にも展示が無いので、恐らくここでしか見れないのかと。
(碓氷峠鉄道文化むらにはアプト式時代の電機機関車としてED42型が展示)
そういう経緯もあるためか、この車両も鉄道記念物に指定されているようです。
機関車の展示を見たあとしなの鉄道の電車に乗りますが、新車が導入されました。
自社発注のSR1系という車両ですが、仕様的にはJR線の新潟地区で運用されているE129系と同一の模様。
参考までに、こちらが新潟地区のE129系。
(長岡駅で撮影)
外観的にも配色以外はほぼ同じかと。
形式表示もJR方式に準じているようです。
(形式と製造番号がハイフンで分けられている)
軽井沢駅を出発。
最初は新幹線と並行して走行。
次の中軽井沢駅にて。
対向列車も新車。
ただこちらは有料快速列車にも使用される特別車らしく、車内はロング・クロスシート両様のいわゆる「LCカー」仕様でした。
線形の良い直線など、かつての本線の風格を残しています。
※小諸までかぶりつきにて撮影
車窓から浅間山がはっきりと見えるのがこの区間を乗車するメリットかも。
よく見ると山頂付近の火口の様子も見えます。
走行中の車両(2両編成)に対してやたら長いホームというのも、かつて本線だったことを伺わせます。
この駅は途中の信濃追分駅。
追分という名称はこの付近が江戸時代の街道である中山道と北国街道との分岐点(追分)であることから。
車窓から見える浅間山はこの辺りがベストアングルか?
待避線ホームのある駅ですが、真ん中の線路は長らく使われていない様子。
それよりも…
一見JR線と見間違う光景ですが、しなの鉄道です。
対向列車がしなの鉄道の既存車である115系(JRからの譲渡車)で、JR湘南色のリバイバルカラーでした。
※平原駅にて撮影
小諸の手前ですが、一番左側はJR小海線の線路。
非電化路線のため、よく見ると一番左側の線路だけ架線が無いことが分かります。
小諸で下車してすぐさまJR小海線に乗り換え。
(事前に時刻表で調べた到着時刻と異なったため、乗り換え時間が少なかった)
ここからJR線(在来線)利用なので18きっぷのはんこを押してもらうため一旦駅の改札を出てすぐに小海線ホームに向かい、列車に間に合いました。
始発の小諸から2駅先の乙女(おとめ)駅。
全国有数の萌える(?)駅名。
※巷ではロマンチックな駅名として有名なようです
小諸から乙女までの2駅はしなの鉄道線と並走し、ここからしなの鉄道と分かれます。
八ヶ岳が遠くに見えますが、これからだんだんと八ヶ岳に近づくようになります。
美里=みさと、こちらも萌える駅名(?)
※美しい里、を意味しているらしい
反対側の車窓からは浅間山が辛うじて見えました。
気のせいか山頂付近から噴煙のような白い煙が見えたような…
新幹線と接続する佐久平駅。
同駅で小海線に直接乗り換えるという手もありましたが、今回は敢えて軽井沢~小諸経由でここまで来ました。
先程軽井沢駅がコンパクトと記載しましたが、この駅が一番コンパクトかもしれませんね。
ちなみに新幹線の線路の上を小海線の線路が跨ぐ構造となっていますが、新幹線の開通に合わせて小海線の線路が付け替えられて同時に駅も新設されたという恰好です。
(実際佐久平駅は小海線内では最も新しい駅です)
小海線の車両基地もある中込駅で、対向列車行き違いのため少々停車。
対向列車の車両所属表記の部分をアップで撮影(部分拡大)したものですが、「長コミ」の表記が。
最初小諸か小海駅のことかと思いましたが、どうやらここ(中込駅)のことらしいです。
ちなみにこの車両はハイブリッド気動車であるキハE200型。
(後程乗車することになります)
中込駅を発車後、車窓に移ると徐々に八ヶ岳が近づいてくる感じです。
駅名標の横にあるミニチュア水車小屋が風流な八千穂(やちほ)駅。
線路に沿って流れる川を見渡すと、亀か恐竜にも見える大きな岩が。
ちなみにこの川は千曲川。
まながしと読んでどういう漢字なのか気になっていましたが、馬流とは。
馬が流れるとはどういうことなのか?と思いましたが、かつて沿線を流れる川(千曲川)の流れが急すぎて(本当に)馬が流れてきたのが名前の由来とのことです(!)。
そんな感じで小海駅に到着。
小諸から乗車した列車は小海駅止まりのため、ここで下車します。
(小諸からの乗車時間は1時間ちょっと)
商業施設も兼ねているためか比較的立派な造りの小海駅の駅舎。
(2階部分は営業していない感じでしたが…)
次の列車到着まで2時間ほど空くので駅の周辺で観光をして時間をつぶせる場所があるか駅前の地図を見たところ、松原湖という湖があることに気づきました。
※下に表示されるマップですが、縮小表示にして下側にずらすと小海駅まで表示されます。
しかし徒歩では2時間程度でといてい回れる距離ではなく…。
ふと町営バスの路線案内と時刻表を確認したところ、ちょうど10分待ちで松原湖に行ける便があったので、ここは賭けに出てそのバスで行ってみることにしました。
-------------------ということでここからは当日予定外の行程になります-----------------------
小海駅から約20分位で松原湖に到着。
湖というにはかなりコンパクトで、時間内(帰りの小海駅行きバスの到着が1時間少し後)に一周できそうです。
(ということで時間を気にしつつ湖を周回してみます)
長らく放置された白鳥ボートが哀愁を誘う光景。
湖の風景にマッチする弁天社。
松原湖の案内板によると、八ヶ岳の爆裂によりできたくぼ地に付近の川が氾濫した際にできた湖だそうです。
また冬季は湖面が凍結して降雪も少ないことからスケートに適し、かつてはスケートのメッカとして多くの名選手を生み出した、との記載もありました。
ちなみに当地の標高は1.123m。
諏訪湖も湖面が凍結することで知られていますが、諏訪湖よりも標高は高そうです。
「国定公園 松原湖」の碑と背後に八ヶ岳。
ここが松原湖随一のビューポイントでしょうか?
湖の脇には松原湖諏訪神社という神社があり、こちらは下社。
こちらは現役と思われる白鳥(足漕ぎ式)ボート。
そういえば少し前に「チコちゃんに叱られる」で足漕ぎ式ボートはなぜ白鳥なのか?というテーマがありましたが、答えは何だったっけ?
(ボートに白鳥の頭を付けたらとても好評だったという理由だったうような…)
湖を1周少し行き過ぎた感じで松原湖諏訪神社の本社に到着。
鳥居があるのでこちらが正面だと思いますが見たところ?な感じでしたが…
鳥居手前の脇道を入って本社の裏手に回ると、実は立派な造りでした。
本社の横には「野ざらしの鐘」と名付けられた鐘がありました。
松原湖諏訪神社の入口(鳥居)。
ルート的に出口になってしまいましたが本来はこちらが神社の入口。
松原湖に隣接する長湖。
サイズ的に湖というよりは池といった感じですが…。
この他奥の方に大月湖という湖もありますが、時間的な関係で行けませんでした。
ちょうど近くにコンビニがあったので弁当を買い、早めに昼食を済ませてその後帰りのバスに乗車。
帰りのバスの車中から撮影した小海線の線路。
上の写真では小さすぎて見えませんが、青色の鉄橋には「八ヶ岳高原ライン」と書かれています。
(八ヶ岳高原ライン=小海線の愛称)
ということで無事時間内に小海駅に戻ってこられました。
--------------------------------予定外の行程はここまで----------------------------------
到着した小淵沢方面の列車はハイブリッド気動車でした。
こちらに途中野辺山まで乗車します。
この車両はキハE200形で、営業運転用としては世界初のハイブリッド気動車。
発電用のエンジンと蓄電池を併用して走行用のモーターを駆動するという「シリーズハイブリッド」という方式をとっています。
現在営業運転を行っているハイブリッド気動車はリゾート列車用のHB-E300系などがありますが、この車両はハイブリッドながら従来形式の「キハ」を名乗っています。
HB-E200となってもいいような気がしますが、登場後10年以上経過しながらもこのままです。
(機器換装など大規模修繕があった際は今後形式が変わる可能性はありますが…)
小海駅を出発後は基本上り坂が続きます。
※野辺山まで逆かぶりつきにて撮影
小海駅の隣駅となる松原湖駅。
先程行った松原湖も当駅が最寄り駅にあたりますが、それでもここから松原湖まで徒歩40分程度かかりバス停も駅からやや離れた場所にあるため、結局のところバス利用だと小海駅からの方が便利だったようです。
この辺りから本格的に山の中に入り、小海線内でも秘境と言える区間になります。
海尻=うみじり=Umijiri…
ローマ字表記だと「i」ばっかりで面白い表記になります。
なぜ山の中なのに「海」なのかというと、湖のことを指すようです。
(湖の下流側なので海尻というらしい)
川が上流になるにつれ蛇行するので、この辺りは鉄橋を繰り返し渡る感じです。
次の駅は佐久海ノ口(さくうみのくち)駅。
海ノ口=湖の入口を指すようです。
ちなみに「佐久」とついていますがJR線内に元々「海ノ口」という駅があるためかと。
こちらがJR大糸線にある海ノ口駅(の駅名標)。
大糸線も山の中を走りますが、こちらも近くに湖(木崎湖)があります。
線路が大きくカーブする地点。
※この写真では奥が進行方向
山が険しくなり、沿線も鉄橋とトンネルが連続します。
信濃川上駅で対向列車(回送列車)と行き違い。
たまたま反対側の回送列車もハイブリッド車でした。
ちなみに1つ手前の佐久広瀬駅は小海線随一の秘境駅だそう。
(この駅もかなり秘境感漂いますが…)
信濃川上駅を発車したところ。
対向列車も反対の小諸方面へと向かいます。
右側に車庫線と思われる線路がありますが、かつてこの駅が終着駅であったことを伺わせます。
(小諸~信濃川上間が小海北線、小淵沢~清里間が小海南線と分かれており、最後に信濃川上~清里間が開通して小海線となったという経緯があり)
次の駅が(下車する)野辺山駅となりますが距離があり、かなり急な上り坂となります。
※下りに見えますが進行方向は逆です
引き続き上り坂。
背後に山も見え、標高が高くなっている感じです。
山間から高原になり、車窓も畑が広がる光景に変わります。
ただ4月になって間もないのでまだ野菜の芽も出ていない状態でした。
野辺山駅に到着する手前ですが、山の全体が見えて標高がより高くなっています。
野辺山駅に到着、ここで下車します。
野辺山駅の駅名標の横には「JR線最高駅」の碑が。
(標高1.345m)
ホームの横には観光列車用の記念撮影パネルが。
近年小海線では「HIGH RAIL 1375」という観光列車が登場しました。
ただそのあおりなのか残念なことも…
上の写真は小海線のマスコットキャラの「ぶりっとちゃん」。
10年程前に小海線に乗車した際に撮影したもので、キハE200形を擬人化した萌えキャラでした。
今回乗車した車両ではそのステッカーの痕跡が見られるものの、残念ながら撤去されたようです…。
参考:小海線ファンサイト
以前は小海線ファンサイトでも「ぶりっとちゃん」の情報も掲載していましたが、現状は一切削除されてしまった模様。
HIGH RAIL 1375の登場に伴いイメチェンしたということでしょうか…。
JR特定の路線に限定した萌えキャラという稀有な存在だったたけに、何とも残念なことです。
こちらは同じく10年程前に撮影した八千穂駅の駅名標。
駅名標の上にあるのは「こうみくん」というキャラクターですが、こちらも公式サイト上から削除されています。
コンパクトでいかにも「高原の駅」という雰囲気が良い野辺山駅の駅舎。
駅舎の横にも最高地点の碑がありましたが、「国鉄」のままなのがポイント。
駅前の道路を挟んで向かいの公園にはC56形蒸気機関車が保存されていました。
C56形は小型ながら炭水車が独立しているテンダー型蒸気機関車で、自重も軽いことから長距離のローカル線区に適していて、小海線では長く運用されて「高原のポニー」の愛称で親しまれていました。
この車両はC56 96号機で、横には経歴が記載された碑もありました。
碑によると新製直後は北海道内の線区を転々として小海線の線区(中込機関区)に移り、松本・長野と所属を移したそうです。
(廃車後にSLホテルとして活用した経歴も気になりますが…)
そもそも当駅(野辺山)で下車した理由ですが、ここから清里方面に向かって先にある「JR鉄道最高地点」に行くためです。
10年程前に小海線に乗車した際は車窓から眺めたのみでしたが、今回は直接行ってみようということで。
ということで八ヶ岳を前にして出発します。
JR鉄道最高地点は以前車窓からも見えたことから線路脇にあると記憶しているので、踏切は渡らずにひたすら線路に沿って歩きます。
なお駅の隣にあった観光案内所で自転車のレンタルも行っていましたが、この後最高地点を経由して次の清里駅まで辿り着く計画でしたので敢えて移動手段は徒歩としました。
途中で小諸方面の列車とすれ違い。
小海線のダイヤはほぼ2時間間隔なので、列車の本数は少な目です。
線路越しに野辺山の天文台が見えました。
この地点が八ヶ岳のベストアングルか。
八ヶ岳の全容をほぼ捉えることができました。
野辺山駅方面へ振り替えると、延々と直線の道を歩いてきたことを感じます。
野辺山駅から30分弱歩いて、"JR鉄道最高地点に到着。
踏切を渡って別の角度から撮影。
鉄道最高地点の碑の前にはC56 26号機の動輪が、横には鉄道神社があります。
なおこの地点の標高は1.375mで、JR以外の私鉄線を含めても通常の鉄道路線(ケーブルカーなどの特殊な形態を除く)としても国内最高地点です。
鉄道神社のご神体はレール!
レールの断面が正面に見えるように岩に埋め込まれて安置(?)されています。
鳥居に枕木を固定する釘の束がぶら下げられていますが、これが鈴の代わりのようです。
あと岩(ご神体)の上にある車輪はC56形の車輪(恐れくは先輪=車両の先頭部分にある車輪)で、これを神社のシンボルとしています。
鉄道神社についての説明。
正式名が「鉄道最高地点神社」で、夫婦円満・幸福・合格祈願のご利益があるとのこと。
神社のシンボルである2つの車輪が夫婦円満を表し、標高の1.375mが「ひとなみこうふく」「ひとなみごうかく」と読めることから幸福・合格祈願を表しています。
ちなみに正式な神社(古来の神道に基づいて設けられた神社)ではないので御朱印はありません。
神社の手前にあるC56 26号機の動輪(主動輪)。
手前の説明によるとC56 26号機は当初は小海線で運用されていたものの先の大戦中に南方の戦場(タイ)に出征して戦後に現地にて廃車となり、この主動輪だけが日本に帰還したとのことです。
C56形は小型であることからか、この車両に限らず大戦中に他国の戦場に渡ったものが少なからずありました。
線路を挟んで神社の反対側には「幸せの鐘」なるモニュメントも。
幸せの鐘から見た鉄道最高地点の全景。
鉄道最高地点の隣にあるレストランの看板ですが、「日本国有鉄道最高地点」の表記のままでした。
日本国有鉄道=JNR=国鉄のことですが、勿論国鉄時代から鉄道最高地点だったので個人的には国有鉄道のままで差し支えないと思います。
このレストランでデザート(パフェ)を頂きましたが、実はここで時間をかけすぎたことでこの後ピンチを生むことに…
(同時にみやげ品も購入)
食事後再び線路に沿って清里方面へと向かいます。
線路がここ最高地点を境に急な下り坂になっていることが分かります。
(奥が清里方面)
脇道に逸れて更に沢に降りて線路の鉄橋を見上げます。
振り返ると山登りの最中のような光景。
少し時間(清里駅での次の列車の発車時刻)が怪しくなってきたので急ぎ足気味で沢に沿って歩きます。
この橋が(長野県と)山梨県との県境らしいです。
ということでここから山梨県。
踏切を渡り…
国道と合流。
国道沿いに清里駅へ向かいます。
少し歩いて(この時点で走り気味)脇道に入ってすぐに清里駅と思いきや…
あと1.3km!
次の列車の発車時刻がいよいよ差し迫っていた(15分を切る感じ)のでいよいよ危なくなり、この後は駅までひたすらダッシュする羽目に。
もはや「全国路線バスの旅」の1シーンの状態に陥りました。
久々のダッシュはかなり辛かったものの、何とか間に合った感じ。
(到着5分前位で着けた)
昨今のコロナの影響での運動不足が身に沁みました…。
駅舎は白貴重でシンプルながらも(別荘地を連想させる)おしゃれな感じがします。
清里駅にもSL(C56形)がありますが、さすがに見学している余裕はないので写真を1枚撮るだけとしました。
ぱっと見る限りではこの車両は(野辺山駅のものよりも)保存状態が良さそうです。
清里駅の駅名標の横には「標高1.274m」の碑が。
これは先の野辺山駅(1.345m)に次いで全国2位の標高です。
清里駅の駅構内はまさに「高原の駅」という雰囲気。
改札の上にはJR駅標高くらべのランキング表が。
ランキング表の拡大。
10駅中9位までが小海線の駅が占めています。
1位から9位までがここ清里駅と野辺山駅を含め、松原湖~甲斐小泉間の小海線の各駅。
残る10位が中央本線の富士見駅という結果となっています。
ちなみにランキング表の右上に「こうみくん」のイラストが見受けられるので、もしかしたら「ぶりっとちゃん」のイラストもこの駅で見られたかもしれません。
(時間が差し迫っていたので確認できませんでしたが…)
程なくして小淵沢行きの列車が到着。
車両は再び一般形のキハ110系列でした。
前にも述べた通り小海線のダイヤは2時間間隔ということもあり1本逃すと大幅な時間ロスになるので、本当に間に合って良かったです…。
清里を出発した後終点の小淵沢までは終始急な下り坂が続きます。
なおかぶりつきは既に先客がいたため、今回(小淵沢まで)も逆かぶりつきにて撮影しています。
いつもは行いませんが強引にトンネル内で撮影してみました。
一部映り込みはあるものの、フラッシュ無しでも結構いけました。
トンネルを抜けて鉄橋を渡ったところ。
下り坂ということもあり、列車のスピードも結構出ています。
甲斐大泉駅に到着。
既に山梨県なので「甲斐」が付きます。
駅間が長いことから、この辺りは駅ごとに列車行き違い設備があります。
引き続き下り坂で、カーブも連続します。
甲斐小泉、次は終点の小淵沢です。
中央道の小淵沢インター前を通過。
その後ろには南アルプスの山々が見えます。
小淵沢インター前を通過した後は方向転換、ほぼ180度回る大カーブになります。
(側面から進行方向視点で撮影、映り込みで見えにくいですが…)
大カーブを後方視点で撮影。
その先、小淵沢駅の手前で中央本線と合流します。
終点の小淵沢駅に到着。
小海線の車両(気動車)とはここでお別れ。
ここから中央本線の上り列車に乗り換えて首都圏へと戻りますが、発車時刻まで多少(30分近く)時間が空くので一旦改札を出て駅の周辺(構内)を散策します。
小淵沢駅の駅舎ですが、以前(10年ほど前)と比べて大幅なリニューアルを遂げました。
参考:10年ほど前の小淵沢駅。
部分的な写真しか残っていませんが、以前はかなりこじんまりとした駅舎でした。
ちなみにこの時駅前のそば屋で食事をした記憶がありましたが、リニューアル後もそば屋は健在でした。
(今回は食事する余裕はありませんでしたが)
リニューアル後の駅舎の屋上に展望台が設けられていて、駅周囲をほぼ全周眺望できます。
こちらは西側(塩尻方面)を見たところ。
展望台の北側からは八ヶ岳が一望できます。
野辺山側から見た八ヶ岳は雪が多く残っていましたが、こちらからだと南側の斜面になるためか殆ど雪が残っていませんでした。
反対の南側は南アルプスの山々が。
中央やや右手に見える一番高い山は北岳か?
東(南東)の方角ですが、雲のすき間からかすかに富士山が見えました。
雲が無ければ(富士山が)くっきりと見えるかもしれません。
駅ホームに戻ると中央本線の上り列車が停車中。
当駅(小淵沢)始発の高尾行きの普通列車。
小海線のローカルな感じとはうって変わってこちらはまぎれもなく本線。
日野春で特急列車の通過待ち。
隣の線路を特急列車が勢いよく通過していきました。
韮崎付近ですがここからも八ヶ岳が一望できます。
下り線の鉄橋の向こうに富士山が見えました。
甲府駅で少々停車。
下りの特急列車が到着するところ。
駅を出発してすぐに見える甲府城の櫓。
身延線のみにある金手(かねんて)駅。
金手駅の先で身延線との分岐します。
その先山梨市・塩山と立て続けに特急列車の待ち合わせもしくは通過待ちが続きます。
この辺りはいわゆる特急街道、新幹線の新規開業に伴いローカル線化してしまった他の本線と比べて中央本線は依然「本線」を維持している路線といえます。
ただ塩山から先は終点の高尾まで何故か特急通過待ちはありませんでしたが…。
間もなく日没につき、車窓の風景はこのあたりが限界。
(勝沼ぶどう郷駅付近)
笹子トンネルを抜けた後はすっかり日が落ちました。
大月の1つ手前の初狩(はつかり)駅。
大月からは首都圏エリアに入ります。
(駅ナンバリングも中央快速線を表す「JC」となる)
猿橋・四方津・藤野と続き…
ようやく高尾に到着。
小淵沢を発車したのが16:30頃、高尾到着が19:10なので所要時間が2時間40分。
18きっぷ利用なので普通列車に乗らざるをえないですが、さすがにちょっとかったるい…。
この後は首都圏の通勤線区なので中央快速線、立川からは南武線に乗車して一応なまともな時間帯(21時少し前)に帰宅できました。
出だしで新幹線を利用したとは言え関東圏を出るとなると日帰りでは結構きつかったです。
本来年初めで予定していた延べ2日間の行程でしたが、何とかこなすことができました。
再び(3たび)緊急事態宣言が出そうな気配なのでGWの旅行は現状予定がありません。
(行けたとしても近場になると思います)
ということで今回はここまで。
長野県の南部、JR小海線の沿線を中心に回ります。
今回は鉄道乗車(乗り鉄)がメインですが、JR鉄道最高地点など観光要素もほどほどにあります。
まずは東京駅からですが、最初は新幹線で軽井沢まで。
新幹線で長野方面に行ったことはないので、今回北陸新幹線に初めて乗車します。
軽井沢は長野の手前なので、長野止まりの「あさま」でOK。
12両中8両が自由席という自由席主体の列車なので、こちらも自由席特急券でOKでした。
(スムーズに乗車するために乗車券は前日に購入)
普通車ですが(東海道新幹線と比較して)上品な色合いの座席。
北陸新幹線用の車両は現在E7系の1車種に統一されています。
(JR西日本所属のW7系もありますが、E7系と同一仕様らしい)
程なく出発し、東京~埼玉の県境となる荒川を渡るところ。
空気が澄んでいれば遠くに富士山が見えますが、当日は見えず。
熊谷に到着する手前ですが、ここでかすかに富士山が見えた気が。
ただ上の写真では分かりませんでした。
熊谷と高崎の間にある本庄早稲田駅。
上越新幹線開通後に新たにできた新幹線単独の駅ですが、ここで通勤・通学の乗客がかなり降りていきました。
特に大宮からここまで車内の乗車率が高く、通勤・通学用途で新幹線を利用している方も一定数いるようでした。
奥に関越道が見えますが、この先で関越道と交差。
ちょうど関越道の上里SAがあるあたりだと思います。
こちらは上信越道の藤岡IC。
新幹線だとあっという間に通り過ぎていきますが…。
烏川もしくは鏑川を渡るところ。
地図で確認した限りでは鏑川っぽい。
今回は新幹線越しから上信線の鉄橋(烏川の鉄橋)を捉えました。
高崎駅に到着する手前ですが、車庫に停車中の上信線の車両も撮影。
ラッピング車ばかりなので、こうしてみると結構賑やか。
高崎を発車して程なく上越新幹線と分岐。
ここから先は山の中に入っていき、長いトンネルが連続します。
北陸新幹線の最初の駅となる安中榛名駅。
新幹線単独の駅で周囲にリゾート施設しかないためか、全国の新幹線駅中最も利用客の少ない駅であるとかないとか。
安中榛名から軽井沢の間は碓氷峠を北に迂回するような線形を取りますが、新幹線だとほどなく軽井沢へ。
といっても新幹線としてはかなり急こう配な区間ということもあり、この区間の最高速度は時速100キロ台にとどまります。
ちなみにこの区間はほとんどトンネルなので車窓は撮影できず。
軽井沢に到着する直前でトンネルを出ますが、奥に見えるスキー場を辛うじて捉える程度でした。
ということで軽井沢に到着。
軽井沢駅の新幹線ホームは2面4線ですが、地上ホームであることが大きな特徴。
ホームの端から新幹線の線路(奥が東京方面)。
新幹線でこのアングルから捉えられることはなかなかない気がします。
軽井沢駅の北口。
新幹線駅としては比較的コンパクトな駅舎。
駅北口の様子。
駅前ロータリーの周りに店が数軒ある程度で、新幹線駅とは思えないほど閑散としています。
尤も町の中心部は駅から離れた北側にあるので、駅舎が新しくなったものの駅前は在来線時代と変化はないようです。
駅南口もコンパクト。
在来線を引き継いだしなの鉄道の始発駅でもあるので、JRの他にしなの鉄道のロゴも入っています。
南口の周囲にはスキー場やゴルフ場などリゾート施設しかないためか、店舗すらありません…。
駅構内には在来線時代のホームがそのまま残っています。
奥が東京方面で、左側の在来線はホームの先で線路が途切れています。
反対側(上田・長野方面)の駅構内。
しなの鉄道の電車が停車中で、保存展示されている機関車の姿も見えます。
(これについては後程触れます)
こうしてみると軽井沢駅は新幹線が停車する駅としては極めてコンパクトな造りであることが改めて分かります。
他の新幹線駅が殆ど高架駅で自ずと駅舎も大規模になりがち(例を挙げると前回の記事で紹介した高崎駅)なので、地上ホームにできた(もしくは地上ホームとして作る敷地が確保できた)のが最大の理由かもしれません。
しなの鉄道の改札はJR改札の横の少し奥まったところに。
通路の横に「峠の釜めし」のおぎのやの店がありましたがまだ開店前でした…。
電車に乗る前に奥の展示機関車を見学。
駅構内で展示されている機関車は2台で、こちらがEF63型機関車。
EF63型機関車は碓氷峠の補機専用に作られた電機機関車で、昭和30年代に従来のアプト式から粘着式に変更されてから平成9年に北陸新幹線(当時は長野新幹線)の長野開業まで活躍しました。
電磁吸着ブレーキなどいくつもの安全対策を取られたことや、電車との協調運転(機関車からの制御によりけん引する電車のモーターも動力として利用できる)により他の幹線列車と同一の輸送力を発揮できた功績があったという説明文もあります。
もう1両がアプト式時代の電機機関車である10000型(EC40型)。
10000型(EC40型)は碓氷峠用の補機として最初に使用されたアプト式の電機機関車で、明治44年にドイツで製造された国内初の電機機関車でもあります。
この車両は横川にある「碓氷峠鉄道文化むら」にも展示が無いので、恐らくここでしか見れないのかと。
(碓氷峠鉄道文化むらにはアプト式時代の電機機関車としてED42型が展示)
そういう経緯もあるためか、この車両も鉄道記念物に指定されているようです。
機関車の展示を見たあとしなの鉄道の電車に乗りますが、新車が導入されました。
自社発注のSR1系という車両ですが、仕様的にはJR線の新潟地区で運用されているE129系と同一の模様。
参考までに、こちらが新潟地区のE129系。
(長岡駅で撮影)
外観的にも配色以外はほぼ同じかと。
形式表示もJR方式に準じているようです。
(形式と製造番号がハイフンで分けられている)
軽井沢駅を出発。
最初は新幹線と並行して走行。
次の中軽井沢駅にて。
対向列車も新車。
ただこちらは有料快速列車にも使用される特別車らしく、車内はロング・クロスシート両様のいわゆる「LCカー」仕様でした。
線形の良い直線など、かつての本線の風格を残しています。
※小諸までかぶりつきにて撮影
車窓から浅間山がはっきりと見えるのがこの区間を乗車するメリットかも。
よく見ると山頂付近の火口の様子も見えます。
走行中の車両(2両編成)に対してやたら長いホームというのも、かつて本線だったことを伺わせます。
この駅は途中の信濃追分駅。
追分という名称はこの付近が江戸時代の街道である中山道と北国街道との分岐点(追分)であることから。
車窓から見える浅間山はこの辺りがベストアングルか?
待避線ホームのある駅ですが、真ん中の線路は長らく使われていない様子。
それよりも…
一見JR線と見間違う光景ですが、しなの鉄道です。
対向列車がしなの鉄道の既存車である115系(JRからの譲渡車)で、JR湘南色のリバイバルカラーでした。
※平原駅にて撮影
小諸の手前ですが、一番左側はJR小海線の線路。
非電化路線のため、よく見ると一番左側の線路だけ架線が無いことが分かります。
小諸で下車してすぐさまJR小海線に乗り換え。
(事前に時刻表で調べた到着時刻と異なったため、乗り換え時間が少なかった)
ここからJR線(在来線)利用なので18きっぷのはんこを押してもらうため一旦駅の改札を出てすぐに小海線ホームに向かい、列車に間に合いました。
始発の小諸から2駅先の乙女(おとめ)駅。
全国有数の萌える(?)駅名。
※巷ではロマンチックな駅名として有名なようです
小諸から乙女までの2駅はしなの鉄道線と並走し、ここからしなの鉄道と分かれます。
八ヶ岳が遠くに見えますが、これからだんだんと八ヶ岳に近づくようになります。
美里=みさと、こちらも萌える駅名(?)
※美しい里、を意味しているらしい
反対側の車窓からは浅間山が辛うじて見えました。
気のせいか山頂付近から噴煙のような白い煙が見えたような…
新幹線と接続する佐久平駅。
同駅で小海線に直接乗り換えるという手もありましたが、今回は敢えて軽井沢~小諸経由でここまで来ました。
先程軽井沢駅がコンパクトと記載しましたが、この駅が一番コンパクトかもしれませんね。
ちなみに新幹線の線路の上を小海線の線路が跨ぐ構造となっていますが、新幹線の開通に合わせて小海線の線路が付け替えられて同時に駅も新設されたという恰好です。
(実際佐久平駅は小海線内では最も新しい駅です)
小海線の車両基地もある中込駅で、対向列車行き違いのため少々停車。
対向列車の車両所属表記の部分をアップで撮影(部分拡大)したものですが、「長コミ」の表記が。
最初小諸か小海駅のことかと思いましたが、どうやらここ(中込駅)のことらしいです。
ちなみにこの車両はハイブリッド気動車であるキハE200型。
(後程乗車することになります)
中込駅を発車後、車窓に移ると徐々に八ヶ岳が近づいてくる感じです。
駅名標の横にあるミニチュア水車小屋が風流な八千穂(やちほ)駅。
線路に沿って流れる川を見渡すと、亀か恐竜にも見える大きな岩が。
ちなみにこの川は千曲川。
まながしと読んでどういう漢字なのか気になっていましたが、馬流とは。
馬が流れるとはどういうことなのか?と思いましたが、かつて沿線を流れる川(千曲川)の流れが急すぎて(本当に)馬が流れてきたのが名前の由来とのことです(!)。
そんな感じで小海駅に到着。
小諸から乗車した列車は小海駅止まりのため、ここで下車します。
(小諸からの乗車時間は1時間ちょっと)
商業施設も兼ねているためか比較的立派な造りの小海駅の駅舎。
(2階部分は営業していない感じでしたが…)
次の列車到着まで2時間ほど空くので駅の周辺で観光をして時間をつぶせる場所があるか駅前の地図を見たところ、松原湖という湖があることに気づきました。
※下に表示されるマップですが、縮小表示にして下側にずらすと小海駅まで表示されます。
しかし徒歩では2時間程度でといてい回れる距離ではなく…。
ふと町営バスの路線案内と時刻表を確認したところ、ちょうど10分待ちで松原湖に行ける便があったので、ここは賭けに出てそのバスで行ってみることにしました。
-------------------ということでここからは当日予定外の行程になります-----------------------
小海駅から約20分位で松原湖に到着。
湖というにはかなりコンパクトで、時間内(帰りの小海駅行きバスの到着が1時間少し後)に一周できそうです。
(ということで時間を気にしつつ湖を周回してみます)
長らく放置された白鳥ボートが哀愁を誘う光景。
湖の風景にマッチする弁天社。
松原湖の案内板によると、八ヶ岳の爆裂によりできたくぼ地に付近の川が氾濫した際にできた湖だそうです。
また冬季は湖面が凍結して降雪も少ないことからスケートに適し、かつてはスケートのメッカとして多くの名選手を生み出した、との記載もありました。
ちなみに当地の標高は1.123m。
諏訪湖も湖面が凍結することで知られていますが、諏訪湖よりも標高は高そうです。
「国定公園 松原湖」の碑と背後に八ヶ岳。
ここが松原湖随一のビューポイントでしょうか?
湖の脇には松原湖諏訪神社という神社があり、こちらは下社。
こちらは現役と思われる白鳥(足漕ぎ式)ボート。
そういえば少し前に「チコちゃんに叱られる」で足漕ぎ式ボートはなぜ白鳥なのか?というテーマがありましたが、答えは何だったっけ?
(ボートに白鳥の頭を付けたらとても好評だったという理由だったうような…)
湖を1周少し行き過ぎた感じで松原湖諏訪神社の本社に到着。
鳥居があるのでこちらが正面だと思いますが見たところ?な感じでしたが…
鳥居手前の脇道を入って本社の裏手に回ると、実は立派な造りでした。
本社の横には「野ざらしの鐘」と名付けられた鐘がありました。
松原湖諏訪神社の入口(鳥居)。
ルート的に出口になってしまいましたが本来はこちらが神社の入口。
松原湖に隣接する長湖。
サイズ的に湖というよりは池といった感じですが…。
この他奥の方に大月湖という湖もありますが、時間的な関係で行けませんでした。
ちょうど近くにコンビニがあったので弁当を買い、早めに昼食を済ませてその後帰りのバスに乗車。
帰りのバスの車中から撮影した小海線の線路。
上の写真では小さすぎて見えませんが、青色の鉄橋には「八ヶ岳高原ライン」と書かれています。
(八ヶ岳高原ライン=小海線の愛称)
ということで無事時間内に小海駅に戻ってこられました。
--------------------------------予定外の行程はここまで----------------------------------
到着した小淵沢方面の列車はハイブリッド気動車でした。
こちらに途中野辺山まで乗車します。
この車両はキハE200形で、営業運転用としては世界初のハイブリッド気動車。
発電用のエンジンと蓄電池を併用して走行用のモーターを駆動するという「シリーズハイブリッド」という方式をとっています。
現在営業運転を行っているハイブリッド気動車はリゾート列車用のHB-E300系などがありますが、この車両はハイブリッドながら従来形式の「キハ」を名乗っています。
HB-E200となってもいいような気がしますが、登場後10年以上経過しながらもこのままです。
(機器換装など大規模修繕があった際は今後形式が変わる可能性はありますが…)
小海駅を出発後は基本上り坂が続きます。
※野辺山まで逆かぶりつきにて撮影
小海駅の隣駅となる松原湖駅。
先程行った松原湖も当駅が最寄り駅にあたりますが、それでもここから松原湖まで徒歩40分程度かかりバス停も駅からやや離れた場所にあるため、結局のところバス利用だと小海駅からの方が便利だったようです。
この辺りから本格的に山の中に入り、小海線内でも秘境と言える区間になります。
海尻=うみじり=Umijiri…
ローマ字表記だと「i」ばっかりで面白い表記になります。
なぜ山の中なのに「海」なのかというと、湖のことを指すようです。
(湖の下流側なので海尻というらしい)
川が上流になるにつれ蛇行するので、この辺りは鉄橋を繰り返し渡る感じです。
次の駅は佐久海ノ口(さくうみのくち)駅。
海ノ口=湖の入口を指すようです。
ちなみに「佐久」とついていますがJR線内に元々「海ノ口」という駅があるためかと。
こちらがJR大糸線にある海ノ口駅(の駅名標)。
大糸線も山の中を走りますが、こちらも近くに湖(木崎湖)があります。
線路が大きくカーブする地点。
※この写真では奥が進行方向
山が険しくなり、沿線も鉄橋とトンネルが連続します。
信濃川上駅で対向列車(回送列車)と行き違い。
たまたま反対側の回送列車もハイブリッド車でした。
ちなみに1つ手前の佐久広瀬駅は小海線随一の秘境駅だそう。
(この駅もかなり秘境感漂いますが…)
信濃川上駅を発車したところ。
対向列車も反対の小諸方面へと向かいます。
右側に車庫線と思われる線路がありますが、かつてこの駅が終着駅であったことを伺わせます。
(小諸~信濃川上間が小海北線、小淵沢~清里間が小海南線と分かれており、最後に信濃川上~清里間が開通して小海線となったという経緯があり)
次の駅が(下車する)野辺山駅となりますが距離があり、かなり急な上り坂となります。
※下りに見えますが進行方向は逆です
引き続き上り坂。
背後に山も見え、標高が高くなっている感じです。
山間から高原になり、車窓も畑が広がる光景に変わります。
ただ4月になって間もないのでまだ野菜の芽も出ていない状態でした。
野辺山駅に到着する手前ですが、山の全体が見えて標高がより高くなっています。
野辺山駅に到着、ここで下車します。
野辺山駅の駅名標の横には「JR線最高駅」の碑が。
(標高1.345m)
ホームの横には観光列車用の記念撮影パネルが。
近年小海線では「HIGH RAIL 1375」という観光列車が登場しました。
ただそのあおりなのか残念なことも…
上の写真は小海線のマスコットキャラの「ぶりっとちゃん」。
10年程前に小海線に乗車した際に撮影したもので、キハE200形を擬人化した萌えキャラでした。
今回乗車した車両ではそのステッカーの痕跡が見られるものの、残念ながら撤去されたようです…。
参考:小海線ファンサイト
以前は小海線ファンサイトでも「ぶりっとちゃん」の情報も掲載していましたが、現状は一切削除されてしまった模様。
HIGH RAIL 1375の登場に伴いイメチェンしたということでしょうか…。
JR特定の路線に限定した萌えキャラという稀有な存在だったたけに、何とも残念なことです。
こちらは同じく10年程前に撮影した八千穂駅の駅名標。
駅名標の上にあるのは「こうみくん」というキャラクターですが、こちらも公式サイト上から削除されています。
コンパクトでいかにも「高原の駅」という雰囲気が良い野辺山駅の駅舎。
駅舎の横にも最高地点の碑がありましたが、「国鉄」のままなのがポイント。
駅前の道路を挟んで向かいの公園にはC56形蒸気機関車が保存されていました。
C56形は小型ながら炭水車が独立しているテンダー型蒸気機関車で、自重も軽いことから長距離のローカル線区に適していて、小海線では長く運用されて「高原のポニー」の愛称で親しまれていました。
この車両はC56 96号機で、横には経歴が記載された碑もありました。
碑によると新製直後は北海道内の線区を転々として小海線の線区(中込機関区)に移り、松本・長野と所属を移したそうです。
(廃車後にSLホテルとして活用した経歴も気になりますが…)
そもそも当駅(野辺山)で下車した理由ですが、ここから清里方面に向かって先にある「JR鉄道最高地点」に行くためです。
10年程前に小海線に乗車した際は車窓から眺めたのみでしたが、今回は直接行ってみようということで。
ということで八ヶ岳を前にして出発します。
JR鉄道最高地点は以前車窓からも見えたことから線路脇にあると記憶しているので、踏切は渡らずにひたすら線路に沿って歩きます。
なお駅の隣にあった観光案内所で自転車のレンタルも行っていましたが、この後最高地点を経由して次の清里駅まで辿り着く計画でしたので敢えて移動手段は徒歩としました。
途中で小諸方面の列車とすれ違い。
小海線のダイヤはほぼ2時間間隔なので、列車の本数は少な目です。
線路越しに野辺山の天文台が見えました。
この地点が八ヶ岳のベストアングルか。
八ヶ岳の全容をほぼ捉えることができました。
野辺山駅方面へ振り替えると、延々と直線の道を歩いてきたことを感じます。
野辺山駅から30分弱歩いて、"JR鉄道最高地点に到着。
踏切を渡って別の角度から撮影。
鉄道最高地点の碑の前にはC56 26号機の動輪が、横には鉄道神社があります。
なおこの地点の標高は1.375mで、JR以外の私鉄線を含めても通常の鉄道路線(ケーブルカーなどの特殊な形態を除く)としても国内最高地点です。
鉄道神社のご神体はレール!
レールの断面が正面に見えるように岩に埋め込まれて安置(?)されています。
鳥居に枕木を固定する釘の束がぶら下げられていますが、これが鈴の代わりのようです。
あと岩(ご神体)の上にある車輪はC56形の車輪(恐れくは先輪=車両の先頭部分にある車輪)で、これを神社のシンボルとしています。
鉄道神社についての説明。
正式名が「鉄道最高地点神社」で、夫婦円満・幸福・合格祈願のご利益があるとのこと。
神社のシンボルである2つの車輪が夫婦円満を表し、標高の1.375mが「ひとなみこうふく」「ひとなみごうかく」と読めることから幸福・合格祈願を表しています。
ちなみに正式な神社(古来の神道に基づいて設けられた神社)ではないので御朱印はありません。
神社の手前にあるC56 26号機の動輪(主動輪)。
手前の説明によるとC56 26号機は当初は小海線で運用されていたものの先の大戦中に南方の戦場(タイ)に出征して戦後に現地にて廃車となり、この主動輪だけが日本に帰還したとのことです。
C56形は小型であることからか、この車両に限らず大戦中に他国の戦場に渡ったものが少なからずありました。
線路を挟んで神社の反対側には「幸せの鐘」なるモニュメントも。
幸せの鐘から見た鉄道最高地点の全景。
鉄道最高地点の隣にあるレストランの看板ですが、「日本国有鉄道最高地点」の表記のままでした。
日本国有鉄道=JNR=国鉄のことですが、勿論国鉄時代から鉄道最高地点だったので個人的には国有鉄道のままで差し支えないと思います。
このレストランでデザート(パフェ)を頂きましたが、実はここで時間をかけすぎたことでこの後ピンチを生むことに…
(同時にみやげ品も購入)
食事後再び線路に沿って清里方面へと向かいます。
線路がここ最高地点を境に急な下り坂になっていることが分かります。
(奥が清里方面)
脇道に逸れて更に沢に降りて線路の鉄橋を見上げます。
振り返ると山登りの最中のような光景。
少し時間(清里駅での次の列車の発車時刻)が怪しくなってきたので急ぎ足気味で沢に沿って歩きます。
この橋が(長野県と)山梨県との県境らしいです。
ということでここから山梨県。
踏切を渡り…
国道と合流。
国道沿いに清里駅へ向かいます。
少し歩いて(この時点で走り気味)脇道に入ってすぐに清里駅と思いきや…
あと1.3km!
次の列車の発車時刻がいよいよ差し迫っていた(15分を切る感じ)のでいよいよ危なくなり、この後は駅までひたすらダッシュする羽目に。
もはや「全国路線バスの旅」の1シーンの状態に陥りました。
久々のダッシュはかなり辛かったものの、何とか間に合った感じ。
(到着5分前位で着けた)
昨今のコロナの影響での運動不足が身に沁みました…。
駅舎は白貴重でシンプルながらも(別荘地を連想させる)おしゃれな感じがします。
清里駅にもSL(C56形)がありますが、さすがに見学している余裕はないので写真を1枚撮るだけとしました。
ぱっと見る限りではこの車両は(野辺山駅のものよりも)保存状態が良さそうです。
清里駅の駅名標の横には「標高1.274m」の碑が。
これは先の野辺山駅(1.345m)に次いで全国2位の標高です。
清里駅の駅構内はまさに「高原の駅」という雰囲気。
改札の上にはJR駅標高くらべのランキング表が。
ランキング表の拡大。
10駅中9位までが小海線の駅が占めています。
1位から9位までがここ清里駅と野辺山駅を含め、松原湖~甲斐小泉間の小海線の各駅。
残る10位が中央本線の富士見駅という結果となっています。
ちなみにランキング表の右上に「こうみくん」のイラストが見受けられるので、もしかしたら「ぶりっとちゃん」のイラストもこの駅で見られたかもしれません。
(時間が差し迫っていたので確認できませんでしたが…)
程なくして小淵沢行きの列車が到着。
車両は再び一般形のキハ110系列でした。
前にも述べた通り小海線のダイヤは2時間間隔ということもあり1本逃すと大幅な時間ロスになるので、本当に間に合って良かったです…。
清里を出発した後終点の小淵沢までは終始急な下り坂が続きます。
なおかぶりつきは既に先客がいたため、今回(小淵沢まで)も逆かぶりつきにて撮影しています。
いつもは行いませんが強引にトンネル内で撮影してみました。
一部映り込みはあるものの、フラッシュ無しでも結構いけました。
トンネルを抜けて鉄橋を渡ったところ。
下り坂ということもあり、列車のスピードも結構出ています。
甲斐大泉駅に到着。
既に山梨県なので「甲斐」が付きます。
駅間が長いことから、この辺りは駅ごとに列車行き違い設備があります。
引き続き下り坂で、カーブも連続します。
甲斐小泉、次は終点の小淵沢です。
中央道の小淵沢インター前を通過。
その後ろには南アルプスの山々が見えます。
小淵沢インター前を通過した後は方向転換、ほぼ180度回る大カーブになります。
(側面から進行方向視点で撮影、映り込みで見えにくいですが…)
大カーブを後方視点で撮影。
その先、小淵沢駅の手前で中央本線と合流します。
終点の小淵沢駅に到着。
小海線の車両(気動車)とはここでお別れ。
ここから中央本線の上り列車に乗り換えて首都圏へと戻りますが、発車時刻まで多少(30分近く)時間が空くので一旦改札を出て駅の周辺(構内)を散策します。
小淵沢駅の駅舎ですが、以前(10年ほど前)と比べて大幅なリニューアルを遂げました。
参考:10年ほど前の小淵沢駅。
部分的な写真しか残っていませんが、以前はかなりこじんまりとした駅舎でした。
ちなみにこの時駅前のそば屋で食事をした記憶がありましたが、リニューアル後もそば屋は健在でした。
(今回は食事する余裕はありませんでしたが)
リニューアル後の駅舎の屋上に展望台が設けられていて、駅周囲をほぼ全周眺望できます。
こちらは西側(塩尻方面)を見たところ。
展望台の北側からは八ヶ岳が一望できます。
野辺山側から見た八ヶ岳は雪が多く残っていましたが、こちらからだと南側の斜面になるためか殆ど雪が残っていませんでした。
反対の南側は南アルプスの山々が。
中央やや右手に見える一番高い山は北岳か?
東(南東)の方角ですが、雲のすき間からかすかに富士山が見えました。
雲が無ければ(富士山が)くっきりと見えるかもしれません。
駅ホームに戻ると中央本線の上り列車が停車中。
当駅(小淵沢)始発の高尾行きの普通列車。
小海線のローカルな感じとはうって変わってこちらはまぎれもなく本線。
日野春で特急列車の通過待ち。
隣の線路を特急列車が勢いよく通過していきました。
韮崎付近ですがここからも八ヶ岳が一望できます。
下り線の鉄橋の向こうに富士山が見えました。
甲府駅で少々停車。
下りの特急列車が到着するところ。
駅を出発してすぐに見える甲府城の櫓。
身延線のみにある金手(かねんて)駅。
金手駅の先で身延線との分岐します。
その先山梨市・塩山と立て続けに特急列車の待ち合わせもしくは通過待ちが続きます。
この辺りはいわゆる特急街道、新幹線の新規開業に伴いローカル線化してしまった他の本線と比べて中央本線は依然「本線」を維持している路線といえます。
ただ塩山から先は終点の高尾まで何故か特急通過待ちはありませんでしたが…。
間もなく日没につき、車窓の風景はこのあたりが限界。
(勝沼ぶどう郷駅付近)
笹子トンネルを抜けた後はすっかり日が落ちました。
大月の1つ手前の初狩(はつかり)駅。
大月からは首都圏エリアに入ります。
(駅ナンバリングも中央快速線を表す「JC」となる)
猿橋・四方津・藤野と続き…
ようやく高尾に到着。
小淵沢を発車したのが16:30頃、高尾到着が19:10なので所要時間が2時間40分。
18きっぷ利用なので普通列車に乗らざるをえないですが、さすがにちょっとかったるい…。
この後は首都圏の通勤線区なので中央快速線、立川からは南武線に乗車して一応なまともな時間帯(21時少し前)に帰宅できました。
出だしで新幹線を利用したとは言え関東圏を出るとなると日帰りでは結構きつかったです。
本来年初めで予定していた延べ2日間の行程でしたが、何とかこなすことができました。
再び(3たび)緊急事態宣言が出そうな気配なのでGWの旅行は現状予定がありません。
(行けたとしても近場になると思います)
ということで今回はここまで。
2021-04-12 09:32